第十二話 ジェーン=グレンの処刑その八
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「あとね。坊さんとかね」
「お坊さんね」
「信仰!?そんなものが何になるっていうのよ」
悪魔の言葉だった。雪子は一郎、そして由人達以外には見せないその本性を露わにしたまま言っていく。これこそがまさに雪子の正体だった。
「この世の中ね。神様とかそういうのってね」
「いないね」
「いないわよ。死んだら終わりよ」
無神論だった。所謂。
「だからね。そんなこと言う奴もぐちゃぐちゃにしてやるわよ」
「やれやれ。雪子は悪い娘だね」
「その悪い娘といつもセックスしてるのは誰かしら」
「僕だよ。そしてね」
「叔父様もだっていうのね」
「そうした意味で僕達は同じだね」
「そうね。悪い人間よね」
雪子も一郎もお互いの顔を見て笑った。それぞれの笑みで。
「それはね」
「そうだね。それじゃあ仕掛けるね」
「やるわ。叔父様にもお話しましょう」
「叔父様も喜んで協力してくれるだろうね」
「叔父様はそういうことが大好きだから」
由人も邪悪だった。そうした意味で確かに彼等は同じだった。
「協力してもらいましょう」
「三人でまた楽しもうか」
「ええ、じゃあね」
こうした話をだ。雪子は一郎と話していた。そうしてだった。
ある日のことだ。望が家に帰るとだ。彼に目元が似た中年の女性、彼の母親がこう言ってきた。
「望ちゃんに郵便が来てるわよ」
「郵便?」
「ネットで何か注文したの?」
「いや、そんなことしてないけど」
最近そうしたことはしていない。だから記憶になかった。
「郵便?っていうと何?」
「CDか何かみたいだけれど」
「CD!?」
そうしたものと聞いてだ。望はその首を捻った。
「そんなの本当に頼んでないけれどさ」
「ないのね」
「うん、ないよ」
こう言うのだった。
「けれど俺宛なんだ」
「そうよ。捨てる?」
「いや、待って」
気になってだ。彼は母に答えた。
「一回見てみるよ。どんなのか」
「変なのじゃないわよね」
「中に剃刀が入ってるとか?」
「世の中悪い悪戯する人いるから」
「俺そこまで恨みは買ってないよ」
少なくとも心当たりはなかった。自分では。
「そんなの送られる様なのは」
「そうよね。じゃあ誰からなのかしら」
「とりあえず見てみるよ」
まずはそれからだった。それでこう母親に答えたのだった。
「それじゃあね」
「ええ、じゃあね」
母からその郵便物を受け取った。それは確かにCDの様なものだった。封の中から感じられる感触は丸く薄いものだ。そうしたものだった。
それを手に取ってだ。望は余計にわからなくなった。
「何かな、本当に」
「
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