暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第131話:想いと共に羽搏く翼
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させてもらいますね」
「くっ!?」

 避けようにも体が満足に動かない。今の奏に出来る事は、せめて無様を晒さないようにとファラの事を睨むだけであった。

 そんな奏に、ファラの持つ剣がギロチンの様に振り下ろされ、あと一歩で奏の首が飛ぶかと言うところで翼の剣がファラの一撃を弾いた。

「ッ!?」
「これ以上、奏はやらせない!! イグナイトモジュール、抜剣!!」

 ファラの剣を弾いた体勢から、翼はイグナイトモジュールを起動した。今度は以前の様に呪いにその身を苛まれる様な事も無く、ギアの色を黒く染め上げると挨拶代わりに蹴り飛ばして奏から引き離した。

「奏、大丈夫!?」
「あぁ、お蔭さんで」
「奏……ありがとう」

 八紘の様子と先程のやり取りから、翼は奏が八紘に口添えをしてくれたのだという事を察し感謝した。お陰で、彼女は父の本心と愛情を知る事が出来た。

「気にすんな。それより、まだ終わってないんだ」
「えぇ、後は任せて」
「あぁ。頑張れよ」

 父に続き、奏にも背中を押され、翼は体が軽くなったような気分になりながらファラへと斬りかかる。

 今度はイグナイトモジュールを起動した翼との戦闘に、ファラは待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべた。

「味見させていただきます」

 イグナイトモジュールを起動させ、更には心に刺さっていた棘も取れた翼の猛攻は凄まじい。ファラには翼の主な攻撃を全て無効化するというアドバンテージがある筈なのに、その猛攻を押し切る事が出来ず後退しながらの戦闘を余儀なくされていた。

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
[千ノ落涙]
「幾ら出力を増したところで!」

 だがファラの持つアドバンテージは未だ大きい。事実翼の攻撃にファラは後退を余儀なくされてはいるが、それは飽く迄殺しきれない威力を和らげる為。翼の放つ攻撃自体は、ソードブレイカーの効果により全て砕かれていた。

「くっ!」
「その存在が剣である以上、私には毛ほどの傷すら負わせることは敵わない」

 しかもここに来て、ファラは隠し持っていたもう一本のソードブレイカーを取り出した。二倍に増えた哲学兵装の嵐が、翼に向け襲い掛かる。

 だが翼の顔に動揺は無い。ファラの攻撃に対し、彼女はあろう事か正面から挑みかかった。

「――――剣に非ず!!」

 両足のブレードを展開し、逆立ちして独楽の様に回転し迎え撃つ。その一撃は、何とファラの持つソードブレイカーの片方を逆に砕いてしまった。

「ありえないッ!? 哲学の牙が何故ッ!?」

 翼の攻撃は己の身すらも剣と定義した上で放たれるもの。そう思っているファラには、今の翼の一連の攻撃が不可解で仕方なかった。

 それは、剣による一撃に非ず。今の翼の心にあ
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