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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉〜戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる?〜
第百十三話 20××年 海 その2
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、考えていた。
どうしてヤヨイちゃんが急に海から砂浜に戻ることを決断したのか。
もしかしてヤヨイちゃんは『怪物』になってしまったかつての仲間と戦うために...。
「終わりました...」
「学校の制服!」
「なにか珍しいですか?」
「い、いえ...でも、もしかして、ヤヨイちゃんさぁ...」
「安心してください、帰りましょう」
帰るって、どこにだよ...。
俺はあえて、帰る場所についてヤヨイちゃんには聞かなかった。
俺達に帰る場所がないことぐらい、ヤヨイちゃんもきっとわかってるはずだから。
「そっか、それじゃ、今度は俺が着替えるから...」
「わ、わかってます、着替え終えたら、声をかけてください...」
「終わった」
真夜中に着替えを無事終了させた俺とヤヨイちゃんは横に並んだまま夜道を歩く。
「私...!」
「もう、いいよ、謝らなくてもさ」
俺はヤヨイちゃんの手を握る。
「と、友助さん...!」
「俺、ヤヨイちゃんが海で死んでしまったんじゃないかって思った時、やっと自分の本当の気持ちに気づいたんだ...」
「友助さん...後ろに下がっていてください」
「ふぇ?」
俺とヤヨイちゃんの目の前には血塗れの『怪物』がいた。
血塗れの『怪物』の背中には断罪刀が2本刺さっていた。
ヤヨイちゃんが何かに気づいたかのように口を開く。
「あれは...断罪刀『如月に『水無月』...ということは...」
「じゃあ...あの『怪物』は...!」
「サツキちゃん...」
「ど、どうして、こんなことに...警察は...自衛隊は...いったいなにやってるんだ?」
血塗れの『怪物』の右手が伸びて、ものすごい速さで俺に向かってくる。
空気中から断罪刀『弥生』を抜刀したヤヨイちゃんが『怪物』の右手を断罪刀で切り裂く。
しかし、次の瞬間には『怪物』の左手が伸びて、ヤヨイちゃんの左腕を切り裂いていた。
「友助さん...私、もう友助さんを守ってあげられないかもしれません...」
わかってる。
仮にこの状況から生き延びることができても、将来、ヤヨイちゃんも、今、目の前にいる『怪物』になってしまうことぐらい。
それでも、俺は言わなくちゃいけない。
今、逃げずにこの場でそれを言わなきゃ、きっと後悔すると思うから。
誰かにちゃんと説明できるような理由なんて、きっと必要ない。
そうだろ、ヤヨイちゃん。
ヤヨイちゃんは右手だけで断罪刀を握った状態で『怪物』と戦っている。
『怪物』の左手がヤヨイちゃんの腹部をつらぬいた。
ヤヨイちゃんの動きが止まる。
血塗れのヤヨイちゃんに向かって俺は言う。
「ヤヨイちゃん、好きだ」








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