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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉〜戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる?〜
第百十三話 20××年 海 その2
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俺が溺れ死んだらきっとヤヨイちゃんに怒られる。
俺はもう泣きそうだった。
俺は息継ぎのために顔を海中から海面に出す。
「ずいぶんと泳いだな、俺」
後ろを振り向くと、砂浜がずいぶん遠くに見える。
それに、寒くて凍え死にそうだ。
あと、めちゃくちゃトイレにいきたい。
おそらく、砂浜まで泳いで戻る体力はもう俺には残されいないだろう。
つまり、俺は多分、死ぬのかもしれない。
そう思うと、なんだか、もう死ぬのが怖くなくなってきた。
俺は背後の砂浜から視線をそらし前を向く。
少し先の海面に人が仰向けの状態で浮いている。
「ヤヨイちゃん...?」
間違いない、海に浮かんでいるのはヤヨイちゃんだ。
「ヤヨイちゃぁぁぁぁぁん!」
俺は叫びながら泳ぐ。
俺は海に浮いているヤヨイちゃんにたどり着く。
「友助さん、私、死ぬのに失敗してしまいました」
「よかった...生きてて」
「私、小さいころに『組織』の色んな実験で自分の体が強化されてるの、忘れてました」
「よかった...本当に」
「よくないですよ、『組織』にモルモットされたせいで、私は自殺も出来ない、友助さんも守れない」
「よかった、生きてて...」
どこからか空襲警報に似たサイレンの音が大音量で聞こえてくる。
次に、警察官を名乗る男性の声が大音量で付近に『怪物』が出現したので、市民は今すぐ警察の避難誘導に従って地下のシェルターに避難しろと支持してくる。
その指示がもう一度繰り返される。
俺はその時、杉本さんから『全て』を聞かされたことを、後悔していた。
俺が何も知らなければ、サイレンの音と共に何度も繰り返されているこの警告を、映画の撮影かなにかと勘違いできたかもしれない。
だってそうだろう?
空襲警報に似たサイレンの音に警察の口から大音量で『怪物』なんて言葉を聞かされたら、みんな怪獣映画の撮影だと勘違いするに決まっている。
きっと誰も、本当にこの世界に『怪物』がいることなんて信じないだろう。
でも、俺はもう、聞いてしまった、あの日、杉本さんの車の中で。
俺はもう見てしまった、断罪刀との適合率が低下した影響で『怪物』になりかけていたナガツキちゃんの姿を。
そして、俺と同じく、ヤヨイちゃんも気づいていた。
今、大音量で繰り返し流れているサイレンの音と警察の放送が真実であるということに。
「友助さん、戻りましょう、砂浜に」
「俺、もう泳げないかも...」
「じゃあ、私もここで友助さんと一緒に海に溺れます」
「わ、わかった、が、がんばって泳ぐから砂浜に戻ろう!」
俺とヤヨイちゃんはなんとか砂浜までたどり着くことができた。
「もう真っ暗ですね...友助さん、私、着替えるので、5分ほど、目をつぶっていてください」
「は、はぁいっ!」
俺は目をつぶっている間
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