第三十五章 あなたの作る世界なら
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、変化見て取れるほどに身体が壊れやすくなっていく。
どうであれ、右手を失う運命には変わりなかったようであるが。
直後、ドライが振り回した白い光の剣で、カズミは右肩から先を落とされていた。胴体を両断する勢いのひと振りを、片足ながらもなんとかかわしたものの、切っ先を避けきれなかったのだ。
「丁度いいハンデだよ!」
眉と唇を釣り上げて、残る左腕だけで戦い続けるカズミであるが、その左の拳も皮膚が裂けて砕けた骨が見え機能しているのが不思議なくらいボロボロであった。
それでも気にせず構わず全力でドライを殴り付けると、ガキリと嫌な音がして手首が折れた。
「こんなんもういらねえや!」
腰と腕とを激しく振ると、折れた左手があっさりちぎれて飛んだ。
言葉は投げやりであったが、カズミはただ自らの手をもぎ取ったわけではない。左拳が唸りを上げて飛びながら一瞬にして巨大化し、アインスとドライをまとめて叩き潰したのである。
そして起こる大爆発。
ザーヴェラーの魔閃塊と同じ要領で、カズミはちぎった自らの肉体に破壊エネルギーを込めて飛ばしたのだ。なおかつアサキの巨大パンチを真似して、ぐしゃり叩き潰してやったのだ。
「たいしたことねえなあ、てめえら」
自らを破壊しながら、両腕のないカズミは身体をふらつかせながらニタリと笑みを浮かべた。
9
もつれあい、倒れているアインスとドライ。
一体どれほどの爆発が二人を襲ったのか。服の半分以上が消し飛んでおり、白い肌が見えている。いや、白かったというべきだろう、大半が焼け焦げてしまっているからだ。
二人は、カズミを睨みながらゆっくりと立ち上がった。
二人の横に、ふらりふらりとした足取りでツヴァイも並んだ。首から上を失って、胴体だけの状態で。
「雑魚と遊ぶのは、もう終わりだ」
「分かっている。早く追い付き、今度こそ令堂和咲を始末せねばな」
二人の小声の会話。追い付くとは、シュヴァルツの元へということだろう。
アインスとドライ、首のないツヴァイ、三人は白い光の剣を構えてカズミへと一歩詰める。
カズミは焦るでも怖じけ付くでもなく、ただぷっと吹き出した。
「その雑魚に、三匹で挑んで負ける奴は誰かなあ」
いい終えるかのうち、茶色い髪の毛がなびいていた。
身に纏う気が、一瞬にしてどんと膨れ上がっていた。
ポニーテールを結ぶ紐がぷつり切れ、茶色い長髪が激しい上昇気流を受けたかのようにばさりばさり上へとたなびく。
足元に光が浮き上がると、それは直径十メートルはある大きな五芒星魔法陣の形になっていた。
戦いの中でこっそりと仕掛けておいた魔法陣を、
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