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八条学園騒動記
第六百七十四話 そっくりだったその八

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「彼等は、そしてベリヤはです」
「そうしてか」
「今はです」
「探偵にか」
「生まれ変わっています」 
 そうなっているというのだ。
「邪悪極まる心はそのままに」
「あの、そのままっていうと」
 ラビニアはそのことに顔を曇らせて問うた。
「前世の記憶は」
「ありません」
 セーラはそれはきっぱりと否定した。
「生まれ変わると普通は記憶はです」
「なくなるの」
「はい」
 そうなるというのだ。
「ですから彼もです」
「前世の記憶はないのね」
「地獄に落ちた時のそれも」
「虫だった時も」
「ありません」 
 そちらの記憶はというのだ。
「幸いに」
「そうなのね」
「はい、ただ」
 それでもというのだ。
「心の質はです」
「変わっていないの」
「転生する中で色々な経験をして」
 そしてというのだ。
「心が清められたりもしますが」
「あいつは違ったの」
「地獄でも反省せず」
 そしてというのだ。
「細菌や昆虫として生きても」
「同じだったの」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「汚れ切ったです」
「邪悪なままで」
「幾度消毒されて消えたり」
 まずは細菌のことを話した。
「踏まれて食べられて」
「虫だった時に」
「殺虫剤を浴びたりもして」
「死んでもなの」
「全くです」
 それこそというのだ。
「変わっていません」
「邪悪なままなのね」
「そうした魂は滅多にありません」
「そうなのね」
「同じ時代ならボルマン位です」
「ああ、ナチスの」
 ラビニアはボルマンと聞いてすぐにわかった、ヒトラーの側近もっと言えばおべっか使いとして有名であった男だ。
「あいつも評判悪いわね」
「非常に汚れた人でしたね」
「ナチスの中でもね」
「彼も同じ様にです」
「地獄に落ちて」
「そして生まれ変わり続けていますが」
 それでもというのだ。
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