第十二話 ジェーン=グレンの処刑その一
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だ。十字は淡々と述べた。
彼は今イタリア風のコーヒーを飲んでいる。そうしながらだ。こう言ったのである。
「神の御教えはこの世の法律より上にあるよ」
「はい、そうですね」
「その通りだよ。神の御教えこそがね」
「最も尊くですね」
「守られるべきものだよ。だからこそ彼等はね」
「裁かれた」
そうなったというのだ。
「この国の警察は色々と言っているけれど」
「捜査をしていますよ」
「わかっているよ。けれどね」
だがそれでもだというのだ。十字は。
「そんなものは何にもならないよ」
「その通りですね。枢機卿に対しては」
「この国の警察は確かに優秀だよ」
十字はこのことは認めた。やぶさめではないという態度で。
だがそれでもだ。彼はこうも言ったのだった。
「けれど僕の手掛かりを掴んだり捕まえることはね」
「できませんね」
「決してね。できないよ」
あくまで淡々として述べる十字だった。
「彼等にはね。それでだけれど」
「はい、藤会はですね」
「藤会はもう潰すべき場所は潰していってるよ」
そうしたというのだ。
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