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星河の覇皇
第八十二部第三章 国債の発行その十五

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「文明国の振る舞いに徹しました」
「左様ですね。それで、です」
 ローエンハイムはシェリーニに応えて話した。
「我々はそこからもです」
「負けたと考えていますね」
「連合は野蛮である」
「我々の認識では」
「そうでありますが」
 それでもというのだ。
「しかしその連合がです」
「文明国の振る舞いに終始した」
「それが実にです」
 エウロパとしてはというのだ。
「癪ですね」
「敗れたとですね」
「この時も思います」
「左様ですね」
「確かに民間の施設や産業やインフラはほぼ無傷で」
 それで、ともだ。ローエンガイムは話した。
「そしてです」
「我々は復興で来た」
「ですが」
「そういは出来ても」
「蛮人達に文明国の振る舞いを見せられた」
「屈辱です、無論我々もです」
 シェリーニもステーキを食べつつ応えた。
「文明国としてです」
「その振る舞いに徹しましたね」
「捕虜を虐待せず」
 連合軍の彼等をというのだ。
「他の国際法に徹することも」
「しませんでした」
「それはです」
 まさにというのだ。
「文明国の振る舞いでした」
「左様ですね」
「ですが」
 それでもというのだ。
「彼等により見せられた」
「それが癪で」
「彼等も勝ち誇っていますね」
「文明、モラルにも勝ったと」
 ただ戦争に勝っただけでなくだ。
「そう言っていますね」
「それも高らかに」
「この屈辱は拭いきれません」
「全くです」
「そして彼等は言います」
 連合側であることは言うまでもない、ここで言う彼等と誰かというと。
「私達はかつて全てを奪った」
「植民地からですね」
「大航海時代から帝国時代にかけて」
「資源から作物、芸術品ですね」
「しかも破壊し尽くした」
「しかし自分達はどうかと」
 連合の者達はというのだ。
「一切奪わなかったし壊さなかった」
「エウロパからは」
「ただ博物館や美術館から連合のものを取り返した」
「それだけだったとです」
「言っています」
 このことは実際に言っている、連合は自分達のものを取り返しただけで何も奪うことなく破壊することもなかったというのだ。
 それでだ、シェリーニは言うのだった。
「彼等の口を止めることは出来ません」
「その通りです」
 ローエンハイムもその通りだと応えた。
「連合に行き四兆の人間の口を全て塞ぐなぞ」
「出来ません」
「それは決して」
「その通りです」
 シェリーニは優に五〇〇グラムはあるステーキを食べつつ応えた。
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