第十一話 ノヴォデヴィチ女子修道院のソフィアその十五
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枝は残っていた。その枝をどうするかだった。十字は神父にこう話したのだった。
「後は枝だよ」
「では。今から」
「留守を頼むよ」
「そうさせてもらいます」
こう言ってだ。それからだった。
十字は煙の様に姿を消した。そしてだった。
翌朝再びだ。警察は渾然となっていた。藤会に対する捜査本部は新たな情報に騒然となっていた。またしてもだったのだ。
「何っ、今度はナンバーツーの中井がか!?」
「はい、殺されました!」
「今度は自宅においてです」
「住み込みの舎弟達と共に」
警察の面々は騒然となってだ。話をしていた。
「背中を斬られそこから背骨を抜き取られて死んでいます」
「何だその殺され方は!」
あまりにも残虐な殺され方にだ。誰もが唖然となる。
「背骨を。生きたまま抜き取ったのか」
「そんな無茶苦茶な殺され方だと!?」
「しかも住み込みの舎弟達もか」
「皆殺しか」
「はい、ただ中井の家族はです」
自宅ならば当然家族もいる。ヤクザ者でも家族はいるのだ。
その彼等がどうなったかもだ。ここで話された。
「全員何ともありません」
「真っ先に縛られ目隠しをされて個室に隔離されていました」
「そうして警察が保護しました」
「中井の正妻も子供達も無事です」
「まだ悪事を働いていない面々は」
「ではあれか」
それを聞いてだ。こう言う彼等だった。
「殺すのはヤクザ者だけか」
「そういえば前もそうだったな」
「そうだな。確かに残虐なやり口だがな」
「殺すのがそれならまだな」
「ヤクザ者ならな」
まだいいとだ。少し安堵した警官達だった。
だがすぐにだ。彼等はこうも話したのだった。
「しかしな。この殺し方か」
「舎弟達もな」
送られて来る報告には殺し方もあった。それはだ。
やはり惨たらしいものだった。手足を切断されたものもあれば首が飛ばされているものもある。内臓を引き出され目や鼻をくり抜いたりそぎ落とされた者もいる。場は血の海だという。
その血の海の有様を聞いてだ。捜査本部の面々は言った。
「とにかく我々もだな」
「そうだな。現場に向かうか」
「そして詳しい捜査だ」
「現場でな」
こう言ってだ。そのうえでだった。
彼等は現場に向かった。現場は丁度検証と処理の中だった。肉片に内臓があちこちに飛散りそして血や脳漿、体液等で満ちていた。
そうしたものを見てだ。また言う警官達だった。
「実際に見るとな」
「ああ、酷いな」
「何だこりゃ」
「屠殺場か?」
こうした言葉も出た。
「どうやったらこんな殺し方ができるんだ」
「悪い奴だがいい家に住んでるんだが
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