暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十六話 アムリッツァ星域会戦(後)
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。シトレ親父の副官という今と変わらない立場だった筈だ。ヤンさんの事だから喜んでシトレ親父を補佐しただろうが…黄金の翼は小説版を読んでないんだよなあ……ああ、読みてえなあ…。
 
 「大佐、この先どうなると思います?」
「この先どうなるって…お前さん、何も考えてないのか?」
「あまり…」
…分かりますけどね、そんなに呆れた顔しなくてもいいじゃないですか…。
「おいおい、しっかりしてくれ。お前さんに判らない事が俺に判る訳ないだろう」
「はあ…」
「ははあ、それでヤンの事が気になったという訳か。分かった、呼んで来よう」
再び注いだグラスを名残惜しそうに一気に空にすると、キャゼさんは行ってしまった。有難い事だ、忙しさにかまけてヤンさんと今回の戦いについてロクに話した事がなかったんだ…。見切り発車で始めた作戦だからなあ…やってる事は原作のフォークと変わらん…。高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変、か…それが出来たら本当に天才だよ。
あ、ヤンさんがそうか。うん、やっぱり話聞こう…ん?ああ、内線か。
「あれ…キャゼルヌ大佐」
”作戦会議室に集合だ。急いでくれ“
「了解しました」
……ああ、もう。

 作戦会議室には既に俺以外の面子が集まっていた…シトレ親父にクブルスリー総参謀長。ハフト准将、ギャバン准将、ロックウェル准将。そしてキャゼさんとヤンさん。あとはグリーンヒル提督、ビュコック提督、ウランフ提督。
総参謀長が深刻そうに口を開く。何かあったのか?
「アムリッツァ星系で新たな戦闘が生起しました。第ニ艦隊と帝国艦隊…先日会見したヒルデスハイム伯爵の率いる艦隊とが交戦中です」
自分より上位の提督達が居る為だろう、総参謀長の口調は丁寧な物だった。
「ほう。要塞を取られたとはいえ只では引き下がらんという訳ですな。中々しつこい敵の様だ」
ウランフ提督が感心感心、といった面持ちで話し出した。
「状況を察するに十一艦隊を撃破したのもこの艦隊ではありませんか?敵ながら天晴れというべきですな」
味方を非難しそうなウランフ提督の口ぶりを察したのだろう、総参謀長が慌てて経過概略図をスクリーンに映し始めた。
天頂方向から見た図だ…アムリッツァ星系のイゼルローン回廊側に位置している外惑星マルガオ、第五周回軌道、そして第四軌道上のカイタル…恒星アムリッツァを挟んで第三軌道上のチャンディーガル。マルガオからカイタルに到着した第十一艦隊をヒルデスハイム艦隊が後背から襲う…。その後チャンディーガル方面に向かったと思われるヒルデスハイム艦隊は姿を消した…。後続の第ニ、第三艦隊はそれぞれマルガオからカイタルへ、チャンディーガルへと進撃、索敵範囲を拡げた。その後第ニ艦隊は第十一艦隊の残存と合流、いや救助した後、カイタルからチャンディーガルへ針路を変える…そのまま進ん
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