第六幕その四
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「オズの国にもおられるわね」
「穏やかで家族と周りの人達を大切にしてね」
「私達も随分可愛がってくれるわ」
「頭がよくて器の大きな素敵な人よ」
「それが平家物語では横暴な人なんだ」
ボームさんは二人にもお話しました。
「史実と違ってね」
「あんないい人が?」
「とても優しいお爺さんなのに」
「それでもなのね」
「平家物語ではそうなのね」
「そうなんだ、史実とは本当に違うから」
平家物語にしてもです。
「軍記ものは今で言うと小説だよ」
「だから別の階に移すんですね」
ジュリアは平家物語や太平記を別の場所に移す本のところに置いたボームさんを見てそのうえで言いました。
「そうされますね」
「うん、そうだよ」
歴史の本ではないからというのです。
「そうするよ」
「わかりました、それでは」
「うん、それと歴史の本は年ごとに書く編年体とそれぞれの人や国を書く紀伝体があるから」
ボームさんは歴史書のお話もしました。
「そこも注意してね」
「そうですよね、ただオズの国は誰も死なないですね」
神宝はボームさんのお話を聞いて言いました。
「そうですから」
「紀伝体も完結しないんだ」
「現代までをですね」
「書いてね」
「それからまたですね」
「定期的にね」
書いてまとめるだけのものが溜まればというのです。
「書き足していくんだ」
「オズの国ではそうですね」
「紀伝体でもね」
「そうなんですね」
「ちなみに僕達の伝もあるよ」
「そうなんですか」
「皆ね、君達五人だってね」
笑顔で神宝達に言うのでした。
「あるよ」
「えっ、僕達のことも書いてくれるんですか」
「オズの国の歴史に」
「しかもそれぞれの伝記があるなんで」
「それは驚きました」
「凄いですね」
「当然よ、貴方達もオズの国で貴重な出来事に色々関わっているからね」
オズマは五人にどうして彼等の伝記があるのかお話しました。
「だからよ」
「それで、ですか」
「僕達の伝もあるんですか」
「それでオズの国の歴史に書かれているんですね」
「そうなんですね」
「それで残るんですね」
「そうよ、貴方達のことは編年体の本でも書かれているから」
そちらでもというのです。
「永遠に残るわよ」
「その名前が」
「そうなんですね」
「オズの国に」
「オズの国の歴史に」
「そうなんですね」
「そうなのよ」
こう言うのでした。
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