第六幕その一
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第六幕 外の世界の本
皆で図書館の中で本を整頓している中で、です。
ムシノスケ教授はある本を見付けてこう言いました。
「この本はここにあってはいけないね」
「どんな本かな」
「ヘロドトスの歴史だよ」
教授はボームさんに答えました。
「歴史の本ではあるけれどね」
「それは外の世界の歴史の本だからね」
「そう、だからね」
「この階はあくまでオズの国の歴史の本を保存する階だからね」
ボームさんも言います。
「外の世界は外の世界で」
「そちらの資料を置いている場所があるからね」
「だからね」
それでというのです。
「この本はね」
「そちらに移そう」
「そうしよう」
「こっちには史記があるよ」
キャプテン=ビルはその本を見付けました。
「司馬遷のね」
「ああ、今度は史記なんだ」
「そう、その本があったよ」
キャプテンもボームさんにお話します。
「その本がね」
「それも違うね」
「こっちにはギゾーのヨーロッパ文化史があるし」
モジャボロも見付けました。
「これもまたね」
「外の世界の本だよ」
「何か急に外の世界の歴史書が出て来たね」
「そうだね」
「歴史は歴史でも」
モジャボロはまた言いました。
「オズの国と外の世界ではね」
「違う歴史だからね」
「分けないとね」
「そうだね」
「オズの国は外の世界と隔絶しているかね」
モジャボロの弟さんも言います。
「だからね」
「そう、オズの国は独自の歴史を歩んでいてね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「外の世界とはだよね」
「また違うよ」
「そうなんだよ」
こう言うのでした。
「どうしてもね」
「オズの世界でもそれぞれの国はつながっていてね」
かかしはオズの国の歴史のお話をしました。
「例えばマンチキンであったことがギリキンにも影響する」
「そうそう、そんなことはいつもだよ」
腹ペコタイガーが応えました。
「連鎖的にね」
「影響していくね」
「風が吹けば桶屋が儲かるっていうか」
「そんな風になっているね」
「何かが起こるとその場だけでなくて」
「色々起こっていってね」
「歴史の大きな出来事になって」
そうしてというのです。
「後々まで影響を与える」
「そんなことがあるね」
「僕達がしてきたことでもだね」
臆病ライオンも言ってきました。
「そうだね」
「うん、オズの国中に影響を与えてね」
樵が臆病ライオンに応えました。
「その結果ね」
「オズの国に決定的な影響を与える」
「そうなってきたよね」
「そうだね」
「私がかかしさんや樵さんを助けて臆病ライオンと出会って」
ドロシーも言います。
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