第五百十三話 ゲティスバーグの激戦その七
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「皆ここは押しているけれど」
「調子に乗って前に出ないことですね」
「そうしてだよ」
そのうえでというのだ。
「戦っていこうな」
「わかったです」
「その辺り佐野さんは確かっしょ」
「はい、伊達に社長さんではないです」
アレクサンダーはサロメの話に頷いた。
「本当に」
「その通りっしょ」
「落ち着いていて状況をよく見ている」
ビリー田中も言う。
「僕も見習わないとな」
「いや、俺大したことないから」
インペラー本人は笑ってこう応えた。
「結構失敗しているよ」
「そうなんですか?」
「仕事でもね」
会社のそれでもというのだ。
「社員の人達に助けてもらってばかりだよ」
「そうなんですか」
「高見沢さんにも言われる時多いし」
ベルデである彼にというのだ。
「何かとな」
「そうは見えないんですが」
「見えないだけでね」
こうビリー田中に返した。
「実はだよ」
「そうですか」
「うん、まだまだだよ」
社長としてというのだ。
「俺なんか」
「そうじゃないっしょ」
「ですよね」
サロメもアレクサンダーもそれは違うと返した。
「佐野さんの会社の話聞いてるっしょ」
「大企業じゃないですか」
「それも業績は右肩上がりっしょ」
「社員さんの待遇もホワイトですし」
「それでどう見塾なんですか?」
ビリー田中にはわからなかった。
「凄いじゃないですか」
「だからそれは俺一人でしたことじゃないし」
インペラーは仲間達に答えた。
「思う様に出来ないことなんていつもだからね」
「そうしたものなんですか?」
さちにもそこがわからなかった。
「優秀な部下の人達を使いこなしてるとか」
「そのことも立派じゃないですか?」
佐土原舞も言ってきた。
「社長さんとして」
「やっぱり佐野さんは凄いよ」
「いや、ロックフぇラーさんとか松下幸之助さんと比べたら」
こうした偉大な経営者達と、というのだ。
「俺なんかまだまだだよ」
「そうだよ、君も俺もまだまだなんだよ」
そのベルデが悠然と来て言ってきた。
「人間ってのは完成しないだよ」
「そうですよね」
「経営者も人間だろ」
インペラーに対して話した。
「だからな」
「ずっとまだまだなんですね」
「人間はずっとまだまだだからな」
「政庁し続けますね」
「無限にな」
こう言うのだった。
「だからいいんだよ」
「そうですよね」
「まだまだでいいんだよ」
人間ひいては経営者はというのだ。
「自分がこの世で一番偉いとか思ったらな」
「あっ、それで終わりですね」
ビリー田中も気付いた。
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