第六百七十四話 そっくりだったその六
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「あいつは完全にだ」
「犯罪者か」
「秘密警察のトップである以前にな」
連合では言論弾圧や粛清を行う者として忌み嫌われる傾向が強い仕事だがそれを抜いてもというのだ。
「犯罪者だ、性格もだ」
「かなり酷いわね、ベリヤって」
「陰湿で狡猾で残虐でな」
「本当にそんな話ばかりよね」
「平気で人を裏切り陥れてだ」
ラビニアに話した。
「その人生を過ごしてきた」
「悪事のみで」
「犯罪行為以外でもな」
「碌なことしていなかったわね」
「権力欲と野心もだ」
こうした方面もというのだ。
「主のスターリン以上にな」
「強くて」
「本当に人間としての美徳なぞだ」
それこそというのだ。
「全くないな」
「腐れ外道だったわね」
「人間ではなかった」
タムタムもこう考えていた。
「最早な」
「屑の中の屑で」
「あいつを腐れ外道と言わないならだ」
さもないと、というのだ。
「他に誰をそう言うか」
「そこまでの奴だったわね」
「それがベリヤでな」
それでというのだ。
「その探偵もだ」
「ベリヤそっくりで」
「生き方は人相に出るからな」
だからだというのだ。
「間違いなくな」
「屑なのね」
「この世に生きている限り害を為す」
事実ベリヤはそうであった、世の中残念なことに生きている限り害を為す様な輩も存在しているのだ。
「そんな奴だな」
「はい、お話を聞きまして」
セーラも言ってきた。
「私も力を使って見ますと」
「そんな奴だったか」
「性犯罪者であり」
そしてというのだ。
「十歳に満たない女の子がいるお店に通うことが趣味です」
「そうした奴だったか、やはりな」
「しかもです」
犯罪者でありというのだ。
「頭はです」
「いいか」
「狡賢いと言うべきです」
「そこもベリヤと同じか」
「どうもです」
セーラはタムタムに真剣な顔で話した。
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