第四章
[8]前話
「それで暫くして合コン行ったから」
「そうしたの」
「それで今の彼氏見付けたのよ」
「あんた彼氏いたの」
「いるわよ、言ってなかったかしら」
「初耳よ」
まさにとだ、弘子は驚いた様な顔になって答えた、実際に彼女はこの話を今はじめて聞いた。まさに青天の霹靂だった。
「そうだったの」
「そうよ、まあ兎に角ね」
「ええ、失恋には」
「そう、お酒だから」
「今日は飲むのね」
「そうして忘れなさい、そしてすっきりしてから」
「新しい恋になのね」
それにとだ、弘子も応えた。
「生きることね」
「今度はフリーのね」
「そうよ、そうしてね」
「それじゃあね」
古奈美のその言葉に頷いてだった。
弘子はこの夜彼女と共にとことん飲んだ、泣きもしてくだも巻いたが。
朝起きたら頭は痛かったが気持ちはすっきりしていた、そして。
少しずつだが部長を見ても何とも思わない様になっていき。
「もうなの」
「何も思わなくなったわ」
古奈美にチェーン店で牛丼を一緒に食べつつ話した。
「本当にね」
「それは何よりよ、じゃあね」
「ああ、新しい恋になのね」
「向かえばいいわ」
「出会いを求めることね」
「まずはね」
こう弘子に言った。
「そうしましょう、それじゃあね」
「ええ、もうね」
「部長さんはもう普通の上司」
「そうなったから」
「完全に記憶の片隅に置いて」
「過去のものにして」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「やっていきましょう」
「それじゃあね」
「ええ、合コン行く?経理の方で今度やるけれど」
「私が参加してもいいの」
「フリーっなら誰でもらしいわ」
「じゃあ行くわ、そうしてね」
「新しい恋をなのね」
「見付けるわ」
「そうしたわいいわ、応援するわね」
「有り難う、行って来るわね」
笑顔で言ってだった。
弘子はその合コンに出ることにした、そうしてだった。
新しい恋を手に入れることが出来た、その時はもう自分に呆れることも戸惑うこともなくなっていた。ごく普通に見ることが出来ていた。
たゆたう心 完
2022・9・16
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