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スケルトンの食べもの
第三章

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「エルフやドワーフとかな」
「まあ人と言われる種族だな」
「そうだよな」
「それで何で食うんだよ」
 生きていた頃の自分達と同じ種族をというのだ。
「そんなのキチガイだけだろ」
「相当なな」
「ああ、本当にな」
「そんなことしないさ」
 リチャードは言い切った。
「そもそも俺達が言うのも何だが人間ってまずそうだろ」
「何処が美味そうなんだ」
 ペーターはこう返した。
「一体な」
「筋ばった肉で食うところが少ないだろ」 
 ヘンリーも言った。
「骨ばかりでな」
「あと色々食ってるしな」
「雑食の生きものってまずいしな」
「匂いもきつくてな」
「だからだよ、そちらの意味でもな」 
 リチャードはまた言った。
「俺達アンデットも人なんて食わないさ」
「元々人でな」
「しかもまずそうだしな」
「それじゃあ食わないよな」
「絶対に」
「そうだよ、食うなら他のものだよ」
 それは絶対にという口調だった。
「だから俺は今夜はな」
「ホワイトシチューか」
「それ食うんだな」
「あと南瓜を焼いてな」 
 そうもしてというのだ。
「そっちも食うな」
「そうか、そうするんだな」
「南瓜も食うんだな」
「それでウイスキーがあるからな」
 リチャードは酒の話もした。
「それ飲むな、ロックにしてナッツ肴にしてな」
「それいいな」
「中々粋だな」
「そっちも楽しむな、それじゃあな」
 リチャードは二人に陽気に話した。
「お互いこれからもな」
「ああ、美味いもの食おうな」
「そうしような」
 疑問が解けた二人はそのスケルトンの言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
 二人はそれぞれの家に帰って晩ご飯を食べた、その晩ご飯も美味しいと思った。そうして味を堪能しかつ栄養にもしたのだった。


スケルトンの食べもの   完


                   2022・9・14
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