第四章
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ブリケッティは実際にこの辺りの司教と知り合いだったので彼に教会のことを話して人を送ってもらってだった。
教会の建て替えの人手も調達した、彼は建築にも噛んでいるのでそこから人手の斡旋も出来たのだ。
そこまでしてだ、彼は。
見事新築された教会に一人で来てステンドガラスで照らされた教会の礼拝堂の中で祈りを捧げた、その彼に。
シスターはおずおずとした態度で横っから言ってきた。
「本当に何もかも」
「だからそうしたことはな」
「言わないことですか」
「ああ、神様のことだからな」
それでとだ、ブリケッティは立ち上がってシスターに答えた。
「いいんだよ」
「そうですか」
「ああ、別にな」
「神のことは」
「それでは」
「何から何までして頂いても。ですが」
ここでだ、シスターは。
彼をじっと見てだ、こんなことを言ってきた。
「この度カトリックの聖職者でもです」
「何だ?」
「伴侶を得られることになりましたし」
それにと言うのだった。
「ここで何かと教会の為に暇があると来てくれて動いてくれてますし」
「暇な時はいいだろ」
「孤児院の子供達にもよくしてくれますし」
「馬鹿言え、俺は結婚して子供がいるんだ」
軽く笑ってだ、ブリケッティはシスターに告げた。
「それでわかるだろ、俺はな」
「カモラですか」
「そうだよ、シスターみたいな立場の人とは違うんだよ」
こう言うのだった。
「そんな言葉は言うものじゃないさ」
「そうなのですか」
「その言葉忘れな、妻子持ち以前にな」
「カモラにはですか」
「惚れるな、俺も惚れてないしな」
だからだというのだ。
「忘れな、もうここにも来ないしな」
「そんな・・・・・・」
「そんなじゃねえさ、ここでやることは終わったんだ」
人を送ってもらって教会も新築したというのだ。
「それで神父さんも戻ってくるだろ」
「お元気になられまして」
「じゃあ俺がいる理由はなくなったからな」
「それで、ですか」
「ああ、もうな」
これでというのだ。
「来ないさ、じゃあ俺のことは忘れな」
「忘れてですか」
「あんたはあんたの人生を歩みな」
こう告げてだった。
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