第三章
[8]前話 [2]次話
「こちらの写真を見ますと」
「ないな」
「どうもこれがです」
瘤の有無、それがというのだ。
「あの独裁者が本物か偽物か」
「それをだな」
「見極める重要な点かと」
「そうか、このことは幕僚長にお話してみる」
陸上幕僚長、陸上自衛隊のトップである彼にというのだ。
「若しかするとな」
「このことはですね」
「あの独裁者の影武者を見破るだ」
「重要なポイントになりますね」
「そうなるかも知れない」
こう言うのだった。
「だからな」
「それで、ですね」
「お話してな」
陸上幕僚長、彼にというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「見極めよう」
「それでは」
こうしてだった。
金和博の影武者について調べなおされることになった、そして彼のことを調べていくとであった。
「本物はですか」
「瘤がある」
前田は師団の司令部の中で奥村に話した。
「そして偽物はな」
「ないですか」
「中国から聞いた話だがな」
国交が出来たこの国からというのだ。
「中国はあの国と縁があるな」
「そうですね、昔から」
「それで外交官もあの独裁者とよく会ってるが」
「本物は、ですか」
「声が違うそうだ」
前田はこれの話もした。
「昔からよく会っていた外交官が聞くとな」
「指紋は変えやすいですが声紋は変えにくいですからね」
「指紋は整形でだ」
「簡単に変えられますね」
「しかし声紋はな」
「時間をかけないとですから」
「喋り方もあるだろ」
「訓練も必要ですね」
「だから本物か偽物かはな」
例え外見が同じでもというのだ。
「昔からよく会っている相手がじっくり聞くとな」
「わかりますね」
「それで中国のベテラン外交官であの国専門と言っていい人はな」
「わかったんですね」
「本物か偽物かな、そして本物はな」
こちらはというのだ。
「首の後ろに瘤があるそうだ」
「そしてその瘤がですか」
「本物と偽物を見分けるな」
「重要なポイントですか」
「そうなっているらしい、そして本物は瘤を隠そうとするらしい」
「コンプレックスになってるんですね」
「それでだ」
その為にというのだ。
「それを隠そうとしているらしい」
「そうですか」
「ああ、だからな」
前田は奥村にさらに話した。
「本物と偽物を比べるにはな」
「瘤ですか」
「首の後ろのな」
「それを見ることですね」
「ああ、だから何かあったらな」
「瘤のある方を狙うといいですね」
「アメリカに話そう」
こう言ってだった。
前田は師団長にこの話をしてだった。
師団長から幕僚長そして防衛庁長官を経てアメリカにも伝わった、やがて偽物にも瘤が出来たがそれを見てだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ