第一章
[2]次話
閉じ込められる気持ちをわかれ
ふわりの前の飼い主だった百田家の夫婦は育児放棄の件で禁治産者に認定され今は生活保護で暮らしていた、だが。
二人共朝から飲み殆ど食べていなかった、そんな二人を見てだった。
近所の面々は軽蔑しきった目で見ながら話した。
「ボロボロの服で身体引きずって」
「ずっと飲んでばかりで」
「あれは長くないな」
「何時死んでもおかしくないな」
重度の麻薬中毒者の様になっている二人を見て話した。
「廃人だな」
「もうな」
「ああはなりたくなな」
「絶対にな」
近所のコンビニで酒やつまみを買う以外は外出せずだ。
殆ど家の中で赤く濁り死んだ目になって飲むばかりの二人を見て話した。それは近所の高校生達も見ていた。
そしてだ、こう話した。
「ゾンビみたいだよな」
「もうな」
「襲い掛かって来るかもな」
「映画とかゲームのゾンビだとそうだな」
「近くに来たらすげえ臭いしな」
「本当にゾンビみたいだな」
「あの夫婦な」
こう話した、そしてだった。
彼等の過去のこともここで話されたのだった。
「へえ、犬飼っててか」
「最初は可愛がっていたのにか」
「子供出来たら邪険にしてか」
「一日中ケージに入れてか」
「閉じ込めてたんだな」
「それで挙句保健所に捨てたんだな」
「ガチ屑だな」
まさにその行いはというのだ。
「最低だな」
「そうだよな」
「そんな連中にはお仕置きしないとな」
「そうだよな」
「子供も育児放棄したらしいし」
「そんな連中には正義の裁き与えてやろうぜ」
「けれどな」
彼等の過去に怒りを感じ何かをしようとなった、だが。
具体的に何をしようかという話になるとだ、こう話された。
「暴力はよくないしな」
「それは絶対に駄目だよな」
「しかも連中近くに行ったらすげえ臭いしな」
「碌に着替えてもいないし風呂にも入ってないな」
「それじゃあどうする?」
「近寄りたくないなら」
「おい、犬をケージに閉じ込めてたんだろ」
ここで一人が言った。
「それならな」
「ああ、閉じ込めるか」
「そうしてやるか」
「暴力は駄目だし」
「近寄ったら臭いしな」
「それなら出て来れない様にしたらいいな」
「出て来られたら臭いんだし」
他の面々もそれならと応えた。
「それじゃあな」
「ここはそうしてやるか」
「閉じ込めてやろうな」
「それで動けなくしような」
「ああ、それでな」
具体的にどうするか話した、そしてだった。
夫婦が酒とつまみを買いに外に出ようとした時にだった。
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