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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第23節「青い果実」
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…」

いつの間にそんなことを、と驚きつつも納得する翔。
しかし、ヴァンはそこで眉間に皺を寄せた。

「それに、少々懸念もある」
「懸念?」
「確認。君や他の少年達が使っているRN式、あれは君たち伴装者の精神力を聖遺物と共鳴させ、強制的に力を引き出しているのだろう?」
「……分かるんですか?」
「当然。桜井理論は我々が扱う錬金術の理論を、現代科学と異端技術で大幅にアレンジしたものだったからね」
「ッ!?桜井理論が錬金術!?」
「休題。話が逸れた」

話を戻すと、グリムは翔の鳩尾に指先をトンッと突きつけた。

「質問。今の君に、RN式を万全に扱う事ができるか?」?
「……」



思わず息を呑んだ。
まるで、俺の心を見透かしているかのような物言いだったからだ。

「立花響。彼女と何かあったのだろう?」
「……そこまで知ってるんですね」
「ああ。知っているとも」

知られているなら、認めざるを得ない。
だが、これは俺個人の問題だ。命の恩人とはいえ、さっき出会ったばかりの相手に話せることではない。

それを悟っているのか、グリムさんはそれ以上何も言わない。
代わりに、格納庫から艦内へと入るためのドアの方に視線を向ける。

「翔!」
「無事だったのか!」

それから2秒と経たないうちに、ドアが開いた。

「純、ツェルト!?」

驚く俺の元に駆け寄ってきた2人は、俺の肩に思いっきり腕を回した。

「心配かけさせやがって、この野郎!」
「皆、ずっと待ってたんだよ!?」
「痛だだだだ!やめ、やめろって!」

肩を掴む手にかなり力を入れてくる純。
肩を組むついでに首を絞めてくるツェルト。

悲鳴をあげながら2人の手を振りほどくと、2人の顔は安堵の表情で溢れていた。

「ったく……よく戻ってきたな」
「おかえり、翔」
「……ただいま。心配かけたな」

男子3人で顔を見合わせる。
それから、純はグリムさんの方に視線を向けた。

「それで、その人が?」
「ああ、俺の命の恩人だよ」
「ヴァン・フィリップス・グリムだ。櫻井了子女史にお目通り願いたいのだが……」
「あら?私を呼んだかしら?」
「了子さん!?」

振り返ると、了子さんがこちらへ向かってきていた。

「私をご指名だなんて、どういう了見なのかしら?」
「嘆願、ギアの最終調整を頼みたい。君の造ったRN式を修復する際、少々手を入れさせてもらった。その際に──」
「OK、大体読めたわ。翔くんのRN式を調整する必要ががあるのね?」

グリムさんが言い終わる前に、了子さんはあっさりとそれを承諾した。

「り、理解が早い……」
「これが天才……」
「弦十郎くん、いいわよね?」
『ううむ……
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