第八十二部第三章 国債の発行その十
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「まさに」
「全くですね」
「しかもそれでいて」
ローエンハイムはさらに言った、ここで二人共蛸のマリネを食べ終えて次のスパゲティに移っていった。
「敵の国防のトップはですね」
「日本のですね」
「我々が歯噛みする程美麗でした」
「全くですね、まあ連合軍は野蛮でしたが」
「階級のマナーやエチケットを無視した」
「略奪暴行はです」
そうした行いはというのだ。
「なかったですね」
「左様でしたね」
「そちらとは無縁でした」
完全になかった訳ではないがだ。
「そう思いますと」
「野蛮であっても」
「筋は通っていましたね」
「いささか腹立たしいですが」
「蛮人と思っていれば」
蛮人なら略奪暴行を働くがというのだ。
「それが、ですから」
「それは確かにですね」
「腹立たしいですね」
「全く以て、一般市民に犠牲は出なかったですが」
「連合軍は一般市民を攻撃しなかったですし」
シェリーニはこのことについても話した。
「それも一切」
「民間施設や産業も」
「どうもそれはです」
「あの長官殿がですね」
「厳命していたとか」
「略奪暴行を禁じると共に」
「何でもです」
シェリーニはさらに話した。
「連合軍は市民の軍なので」
「市民の軍ならですか」
「はい、市民を守るもので」
「敵軍と戦おうとも」
「それでもです」
敵軍つまりエウロパ軍と戦おうがというのだ。
「一般市民は敵ではないので」
「敵国の市民であろうとも」
「それで、です」
「一般市民はですね」
「一切攻撃対象とせず」
そのうえでというのだ。
「民間施設や産業も」
「当家の施設もでしたし」
ローエンハイムは自身の家の話もした。
「とかくです」
「攻撃はしませんでしたね」
「多くの工場も施設も持っていますが」
戦争中連合軍が通過した星系にもあったがというのだ。
「ですが」
「それでもでしたね」
「ほぼ無傷でした、流れ弾があった程度で」
その程度だったというのだ。
「雇用している労働者にもです」
「犠牲はなかったですか」
「流れ弾は惑星にあったその時は管理者達が避難していた倉庫で」
言うまでもなく戦禍を避ける為だ。幾ら一般市民が攻撃されないとはいえ危険なことには変わりはないからだ。
「本当にほぼです」
「損害はなく」
「犠牲もです」
それもというのだ。
「なく」
「それで、ですね」
「当家の企業グループの業績もです」
「復興からですね」
「今発展に向かっています」
そうなっているというのだ。
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