第十話 思春期その十一
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「君もね。そうなんだよ」
「僕はその一つだけだけれど難しいことをしないとならない」
「そうなるかも知れないね」
「神様の考えなんてわからないけれど」
少なくともカトリックではないだ。猛にはだというのだ。
「それでも。僕がそうしないといけないのなら」
「果たしてくれるかな」
「うん。よくわからないけれど」
具体的には何をどうするのかわからないがそれでもだとだ。猛は十字に答えた。
「そうするよ」
「頑張ってね」
「うん、じゃあね」
雅、そして猛とこうしたやり取りをしてだった。そのうえでだ。
十字は二人の前からも姿を消した。道場を後にしたのだ。その足でだ。
彼は学校を出てそうしてだ。門のところで携帯を取り出した。そこから彼に連絡をした。
「どうかな。わかったかな」
「今そちらにメールを送ります」
「ということはわかったんだね」
「はい」
その通りだとだ。彼、神父は十字に答える。
「遅れて申し訳ありません」
「いいよ。けれどね」
「早速動かれますか」
「まずは頭を潰そう」
淡々とだ。十字は携帯の向こうの神父に対して答えた。
「そうすれば全く違うから」
「そうですね。頭をなくせば後は」
「身体の他の部分はどうということはないよ」
「では」
「今日から動くよ」
まさにだ。早速だというのだ。
「今からね」
「今からですか」
「メールは詳しいところまで頼めるかな」
「はい」
神父はそのことについては問題ないと答えた。
「今すぐにでも。事務所の住所や地図、それに構成員も」
「個人情報まで調べたんだね」
「全て」
そうしたというのだ。
「ですから御安心下さい」
「うん。けれどなんだね」
「今すぐに動かれるのは危険ではないでしょうか」
これが神父が今十字に言いたいことだった。
「何があるかわかりませんが」
「いや、貴方が情報を送ってくれればね」
「それで充分だと仰るのですね」
「そうだよ」
感情はないがそれでもこう答えた十字だった。
「君の送ってくれた情報ならね」
「私を信じて下さるのですか」
「君の送ってくれる情報は細部まで細かく」
そしてだというのだ。
「そしてよくわかるものだから」
「だからこそですか」
「そう。だから送ってくれたら今すぐに行くよ」
「左様ですか。それでは」
「藤会の本部に行くよ」
まさにだ。頭からだった。
「そしてその本部をね」
「徹底的にですね」
「潰すよ」
そうするとだ。十字は淡々と述べる。
「既に神は僕に裁きの時を与えてくれたということだから」
「私が細かいところまで
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