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おぢばにおかえり
第七十一話 詰所の中その四十六

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「怒ったら尚更」
「それで鉄拳制裁あったのね」
「一番怒られたのが梨田さんらしくて」 
 近鉄の最後の監督だった人なのは私も知っています、実は奥華によく似たお顔立ちの方がおられます。
「キャッチャーってこともあって」
「ああ、あのポジションだとね」
 私も野球についてある程度の知識はあるつもりです、それでキャッチャーというポジションについてもこう言えました。
「ピッチャーの人をリードしてね」
「守備の要ですからね」
「一番監督さんが注文するわね」
「それで余計にです」
「西本さんも怒られたのね」
「もう一番怒られたらしくて」
 それでというのです。
「一番殴られたとか」
「そうだったのね」
「色々な人が怒られてますけれど」
 その中でもというのです。
「梨田さんは一番怒られていて」
「大変だったでしょうね」
「だからあれだけの選手になって」
「名キャッチャーだったわね」
「それでバッティングもよくて」
「名選手だったのよね」
「それでコーチや監督としても」
 つまり指導者としてもというのです。
「よかったんですよ」
「厳しいお仕込みの結果ね」
「そうだと思います」
「おみちのお仕込みはそんなに厳しくないけれど」
「そうなんですね」
「禅宗みたいなことはしないから、ただね」
 新一君にどうしてもと思いまして言いました。
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