第七十一話 神仏を感じてその十二
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「絶対に送りたくないです」
「ではそうした人を反面教師にして」
「生きることですね」
「そうして下さい」
是非にと言うのだった。
「小山さんも」
「そうします」
速水に強い声で約束した。
「今その人のお話何処かで聞いたかもと思いましたが」
「有名な人ですからね」
「だからですか」
「実は私が通っていた高校を経営していたお家が信仰している天理教の教会に縁のある人です」
「店長さん八条学園でしたね」
「はい、小山さんの先輩になりますね」
速水は自分から述べた。
「高校まで通っていました」
「そうでしたね、確か」
「そして高校を卒業してから修行に出まして」
「今はこちらでお店をやっておられるんですね」
「そうです、思えば運命の出会いがあり」
「運命の?」
「私にとって」
咲に微笑んで答えた、そのうえで言うのだった。
「それがきっかけとなってです」
「まさかと思いますが」
咲は速水のその言葉から察して問うた。
「占い師さんになったことの」
「そうです、そのきっかけです」
その通りという返事だった。
「私が占い師になった」
「その運命の出会いがですか」
「まさに」
そうだったというのだ。
「それで、です」
「今ここにお店を開いておられますか」
「そう思います、ただ私はその出会いがなくとも」
それでもというのだ。
「占い師になっていたでしょうが」
「その人との出会い自体がですか」
「運命の出会いであり」
「その出会いがですか」
「私の人生に非常に大きな栄養を与えています」
「そうですか」
「私の人生は自分で言うのも何ですか満ち足りています」
速水は微笑んで述べた。
「勿論不平を感じることもありますが」
「それでもですか」
「やはり生きているとそれを感じる時もあります」
不平、それをというのだ。
「どうしても。ですが」
「その出会いによってですか」
「私はそうなっています、そして小山さんにも」
ここでだ、速水は。
タロットカードを一枚引いた、そして出た運命の輪の正を見て話した。
「いい出会い、運命のそれがある様ですね」
「そうなんですね」
「近いうちに。その出会いを大切にして下さい」
「わかりました、どんな出会いかわかりませんが」
それでもとだ、咲は速水に答えた。
「きっとです」
「その出会いをですね」
「私大切にします」
「そうして下さい、ではそろそろお客様が来られるので」
「アルバイトですね」
「宜しくお願いします」
「わかりました」
咲は笑顔で頷いた、そうしてだった。
この日はアルバイトに励んだ、夏休みは遊びと勉強だけでなく部活それにアルバイトにも励んでいくのだった。
第七十一話 完
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