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展覧会の絵
第十話 思春期その七
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 そしてそのうえでだ。彼はこう十字に尋ねた。
「神様っていつも見てるんだな」
「そうだよ」
「じゃあ俺もか」
「その通りだよ。神は何時でも人を見ていて」
 そしてだというのだ。
「愛しんでおられるんだよ」
「神様っていい人・・・・・・じゃないな」
 神だからだ。望はすぐに自分の言葉を訂正した。
「神様っていいんだな」
「そう。神は何時でも人を愛しておられるんだ」
「俺も春香も」
「勿論だよ。そしてね」
「そして?」
「善き人が苦しみ絶望に陥っている時はね」
 その時はだというのだ。
「その人をお救いになられるよ」
「本当かね。それって」
「僕は嘘は言わないよ」
 何の淀みもない声での返答だった。
「神の言葉は」
「神様のね」
「そう。だからね」
 それ故にだというのだ。
「僕は嘘は言わないんだ」
「じゃあ俺お願いしていいかな」
「神への願いだね」
「ああ。していいかな」
「勿論だよ」
 一行に構わないとだ。十字は望に答えた。
「どうかそうしてくれるかな」
「わかったぜ。それじゃあな」
 望は十字の了承を得てだ。そのうえでだ。
 春香の顔を一瞥してからだ。こう十字に対して言った。
「春香がな」
「君じゃないんだ」
「勿論俺もだよ」
 春香の名前を出してからだ。微笑んで言ったのである。
「けれどまずはな」
「彼女のことをだね」
「ああ。こいつと俺がどうにもならなくなった時はな」
 まさにだ。その時にだというのだ。
「神様、助けてくれるかな」
「神は今その心を受け取ったよ」
「心?」
「そう。君の願いだから」
 だからだ。心だというのだ。
「それは受け取って頂いたよ」
「じゃあな。これでな」
「安心していいよ。後はね」
「その時が。若し来たらなんだな」
「神は。君達を救って頂くよ」
「そうなって欲しいな。その時はな」
 望は微笑みこうも述べた。そしてだ。
 同時にだ。こうしたことも言うのだった。
「人間って生きてたら色々あるからな」
「そう。人の一生は航海だから」
「よく言われるよな、そう」
「事実そうだよ」
 まさにだ。人生は航海だというのだ。
「大海原を進むね。嵐もあるよ」
「嵐なあ」
「そしてそれを乗り越える様にされるのがね」
「神様なんだな」
「その通りだよ」 
 十字はここでも顔にも言葉にも表情がない。実に淡々と述べていく。それはまさに仮面を被っている様なものだ。だがそこにあるものは確かだった。
 そしてその確かなものをだ。今二人に話すのだった。
「だからね」
「安心して。神様にお願いす
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