第二章
[8]前話
「本物はです」
「幾つあるか」
「まあそう言っているだけで」
「本物はだね」
「果たして幾つあるか」
こう言うのだった。
「それが現実です」
「そうなんだね」
「しかし」
ここでだ、僧侶は。
少し真面目な顔になってだ、オズバーンに話した。
「そこに信仰があれば」
「いいんだ」
「釈尊を敬いそのみ教えを信じる」
「それがだね」
「あれば」
そうであればというのだ。
「いいのです」
「そうなんだ」
「ですからトリノのです」
「聖骸衣もです」
これもというのだ。
「信仰があり」
「教えをだね」
「敬えば」
そうすればというのだ。
「いいのです」
「そうなんだね」
「はい、例え本物でなくとも」
「そこに信仰があればだね」
「いいかと、では」
「うん、信仰はね」
オズバーンは笑顔で応えた。
「持って行くよ、僕もね」
「はい、ですから」
「仏舎利もだね」
「信じ」
そしてというのだ。
「また聖骸衣も」
「信じることだね」
「大事なのは本物かでなく」
「そこに信仰があるか」
「そう考えますが」
「それも考えだね、いいこと聞いたよ」
オズバーンはまた笑顔で応えた。
「では僕はボストンに戻ってもね」
「このことをですか」
「頭に入れて信仰をしていくよ」
こう僧侶に話した、そしてだった。
彼は実際にアメリカに戻ると素直に信じる様になった、実は以前からそうだったが前異常にそうした。聖骸衣もそれでいいと答えた。そこに信仰があるのならと。
仏舎利は本当か 完
2022・10・24
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