第十話 思春期その二
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「え、ええ」
その話になるとだ。雅はまた蒼白になった。あのことを思い出してだ。
それは蒼白になった顔に出ている。だが猛はそれにもまだ気付いていない。やはり雅は幸運だった。少なくともこの時点においてはそうだった。
そしてその幸運のままだ。こう言うのだった。
「そうよね」
「そうだよね。それでね」
「それで?」
「どんな授業だったのかな、理事長さんの授業って」
「授業自体はね」
それ自体はだと。雅はまた作り話をはじめた。
「普通なのよ」
「普通の授業なんだ」
「そう、普通なのよ」
こう言い繕うのだった。
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