西ゼムリア通商会議〜インターバル・中篇〜
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は件の魔神との戦いによって大破寸前の状態まで陥った”との事ですから、黒の騎神が受けた深刻なダメージが影響する起動者であるオズボーン宰相自身、まだ意識が戻っていない可能性が考えられるのですわ。」
「ええっ!?幾ら”魔神”とはいえ、まさかあの”黒の騎神”を生身で”大破寸前の状態まで追い詰める”なんて……!」
「”ハイシェラ”………初めて聞く名前の魔神だけど皇子達はその魔神の事を知っているのよね?」
「ああ、勿論知っているよ。確かにハイシェラさんなら、例え相手が宰相殿が駆った黒の騎神だろうとそこまで追い詰める事も容易だろうね。」
「ドライケルスの生まれ変わりでもあるギリアスのオジサンが駆る”黒の騎神”を追い詰めるのも容易って、一体どんな魔神なの〜!?」
ミルディーヌ公女が口にした更なる驚愕の情報にその場にいる全員が血相を変えている中エマは信じられない表情で声を上げ、真剣な表情で考え込みながら呟いたセリーヌはオリヴァルト皇子に視線を向けて問いかけ、セリーヌの問いかけに頷いたオリヴァルト皇子は苦笑し、ミリアムは表情を引き攣らせながら疑問を口にした。
「ハイシェラ殿はセリカ殿の得物である”魔剣”に宿る”魔神”にして、永遠の時を生き続けるセリカ殿を遥か昔から支え続けているセリカ殿にとっては”永遠の相棒”と言うべき存在であり、同時に”永遠の好敵手にして盟友”でもある女魔神だ。」
「ハイシェラさんはあのセリカさんが”永遠の好敵手”に認めるくらい戦闘能力も当然凄まじくてね。彼女ならセリカさんと互角の斬り合いができるし、彼女が放つ魔術に関しても同じ魔神であるベルフェゴールさんやエヴリーヌ君と同等……いや、それ以上の威力を叩き出すと思うし、当然”天災クラス”の大魔術も容易に放つ事が可能だ。おまけにエヴリーヌ君と同じ”戦闘凶”である事に加えて相手が強者なら戦闘意欲が更に高まる性格だから、私が知る”魔神”の中ではまさに”生ける天災”と呼ぶべきとてつもなく凄まじい魔神さ。」
「オレ達が感知することもできないまさに”神速”レベルと言うべき剣技を振るうセリカさんと互角に斬り合う事ができる上、魔術もベルフェゴール達以上の威力を叩き出せるなんて凄まじすぎる存在だな……」
「戦闘狂の上相手が強者なら更に戦闘意欲が高まり、しかも戦闘能力も化物……ううん、”超越者”レベルとか、オズボーン宰相にとっては最悪過ぎる相手だったようだね。」
「いや、ギリアスじゃなくても、そのハイシェラっていう魔神を相手にする連中はその連中にとってはどんな相手よりも最悪過ぎる相手だろ………」
「いずれにしても、ミュゼの推測通り、オズボーン宰相はまだ意識が戻っていない事も考えられるのか。」
ミュラーとオリヴァルト皇子の説明を聞いた事でハイシェラの
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