第百二十八話 一同、泉で泳ぐのことその十
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普段と変わらない姿に戻りいつも通り奇天烈な格好の二人にだ。その話を聞いて言うのだった。
「そうか。北か」
「ええ、匈奴の国よ」
「五胡ね」
「漢の中の拠点はあらかた潰したからな」
それはもうだ。全てしてしまった。それならだというのだ。
「北か」
「ほら、袁紹さんも度々北を攻めてたわよね」
「あの娘が攫われたりしたし」
蔡文姫のことも話される。
「彼等は最初からあそこにも拠点を置いておいたのよ」
「いざという時の最後のね」
「そしてここで遂にね」
「その最後の拠点から仕掛けてくるのよ」
「最後の拠点か。それならだな」
いよいよだ。華陀の顔が険しくなる。
そうしてだ。こう言うのだった。
「本当に最後の戦いだな」
「そうよ。最後の最後よ」
「ラストバトルになるわよ」
妖怪達もだ。今は真剣な顔である。
そしてそれを聞いてだ。華陀も言うのだった。
「この世界、そして仲間達の世界の為にもな」
「そこにいる多くの生ある者達の為にもね」
「勝たないといけないわよ」
「ああ、わかった」
確かな声でだ。華陀は応えた。
そうしてだ。彼はその右手に黄金の針を出した。その針を見ながらの言葉だった。
「ではこの世界の病を癒そう」
「そう、ダーリンならできるわ」
「天下の名医だからね」
「医者王として俺は戦う」
その背にだ。黄金の光をまといながらだった。
「そして勝つ」
「そう、何が何でも勝つわよ」
「二つの世界の為に」
魔物達も世界の為に戦うのだった。確かに外見は人間のものでは断じてない。しかしその心はだ。あくまで人間であり純粋なのである。
第百二十八話 完
2011・12・9
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