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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第130話:剣が砕かれ、雨が降り注ぐ
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受けているなんてね」
「まぁ、危ない奴であることに変わりは無いし?」
一時騒然となる装者達の輪に、颯人が何時の間にか取り出したドーナツを齧りながら戻ってきた。その視線は、再び正面モニターのリストに向いている。
「英雄扱いじゃなくて物扱いか……自業自得とは言え、ねぇ……」
「意外ですね? 颯人さんでもそう言う感想を抱くとは……」
「え? ちょっとそれは心外、んぐっ!」
自分が冷たい人間とでも思われていたのかと抗議しようとした颯人だったが、ドーナツを喉に詰まらせたのか胸を叩きながら足早にその場を後にした。
「ワリ、ちょっと飲み物買ってくる」
そそくさと部屋を出て行く颯人。その自由っぷりにマリアは溜め息を吐いた。
「落ち着きがない男ね。奏、貴方あの男の何処が好きなの?」
マリアの問い掛けに、奏は笑う事でしか答えられない。何処が好きと言われても、ここが好きと具体的に言える訳ではないのだ。ただ純粋に好きとしか言いようがない。強いて言えば一途に自分を愛してくれるから自分も愛せると言えなくもないが、そんなこっ恥ずかしい事言える訳が無かった。
「んん! そんな事よりも、だ。キャロル達がその位置を割り出してたって事は……」
「狙いはそこにある危険物という事になるな」
「そうね」
「だったら話は簡単だ! 先回りして迎え撃つだけの事!」
意気込むクリスだったが、話はそう簡単に終わってはくれなかった。
「襲撃予測地点はもう一つある。藤尭、友里」
「あ、はい!」
「直ぐに!」
弦十郎がオペレーター2人に声を掛けると、何故か後ろを見ていた2人は慌ててコンソールに向かい合い正面モニターにもう一つの地図を表示した。
表示された場所は深淵の竜宮とは違い、陸地のある地点。そこを見た瞬間翼の目の色が変わった。
「ここって!?」
「……気になる出来事があったので、調査部で独自に動いてみました。報告によると、事故や事件による神社や祠の損壊が頻発していまして……」
「何か聞いた事のある話だな……それもつい最近だ。翼、覚えてるか?」
奏が思い浮かべるのは、先日皆で海に行った時の事。そこで買い出しに向かった際、近くの神社が恐らくはガリィによって破壊されていた。
奏の言葉でそれを思い出した翼は、ハッとした顔でもう一度地図を見た。
「いずれも明治政府の帝都構想で、霊的防衛機能を支えていた龍脈……レイラインのコントロールを担っていた要所になります」
「錬金術とレイライン。敵の計画の一環と見て、間違いないだろう」
「……風鳴の屋敷には、要石がある。狙われる道理もあるという訳か」
自分の生家がターゲット予測地点と言われる理由に納得した様子の翼の表情はどこか重苦しい。それは
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