第百二十八話 一同、泉で泳ぐのことその六
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「そう思えて仕方ないぜ」
「ははは、まあそう言わずにじゃ」
「言わずに。何だ?」
「これでも食わんか?」
山田は何処からか煎餅を出してきた。それをまずはフランコに勧める。
そのうえでだ。フランコにも勧めて言うのだった。
「ほれ、美味いぞ」
「ああ、悪いな」
「それじゃあな」
「うむ、美味いぞ」
自分でも煎餅をボリボリとかじりながら言う。
「いやらしいならいやらしいでよいわ」
「開き直ったな、また」
「そう来たか」
「うむ。可愛い女の子を見ると心が弾む」
今度はこう言うのだった。
「では共に見ようぞ」
「俺は別にいんだけれどな」
「俺もだ」
マイケルもフランコも山田程女の子に興味はなかった。フランコもだ。
それで今は煎餅を食べることに専念した。彼等はそちらだった。
その山田の刺さる様な視線を浴びながらだ。舞はマリーに話す。舞は紅のビキニ、マリーは群青色のビキニだ。デザインがそれぞれ細かいところが違う。
その舞はだ。困った顔でマリーに話す。二人は今小石の岸辺で肉を食べている。
「十兵衛さんって本当に」
「何ていうか相変わらずね」
「だから困るのよ」
本当に困った顔で言うのだった。
「あの人はね」
「そうね。けれどね」
「けれどって?」
「気が若いのは確かね」
こうは言ってもだ。マリーは笑顔ではない。
真顔でだ。舞に話すのだった。
「だから今も戦えるのよ」
「そうなるのね」
「そう。若し完全にお爺さんだったらどうかしら」
「隠居してるわよね。その時は」
「そういうことよ。気が若いからね」
「あの歳でも戦えるのね」
「そう思うわ。だから私達もね」
ここでやっと笑顔になるマリーだった。そうしてだ。
バーベキューのスペアリブを手に取りかぶりつきつつだ。こう言ったである。
「気は若くね」
「そうあるべきなのね」
「そういうことよ。じゃあ食べて」
「泳いでね」
舞もここで笑顔になった。
「そうしましょう」
「わかったわ。それじゃあね」
二人が笑顔で話しているとだ。ここでだ。
徐庶がだ。焼いた玉葱を食べつつ二人に言ってきた。その言うこととは。
「私、今とても悲しいです」
「どうしたの?徐庶ちゃん」
「何かあったの?」
「お二人共背が高くて」
徐庶が最初に言うのはこのことだった。
「それに体型も」
「体型って」
「何が言いたいのかわからないわね」
「とてもいいですから」
こうだ。自分の身体、青のスクール水着に包んだその肢体を見ながら言うのである。
「羨ましいです」
「そんなのは大きくなればね」
「自然とこうなるわよ」
舞もマリーもそれは大丈夫だと言うのだった。
「だから特にね」
「気にすることないわよ」
「
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