第百二十八話 一同、泉で泳ぐのことその一
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第百二十八話 一同、泉で泳ぐのこと
一同は都の外にある泉に向かう。その道中でだ。
孫尚香は虎に乗りながらだ。その隣にいる陳宮に尋ねた。
「あんたはここでも犬なのね」
「そう言う孫尚香は虎なのです?」
見れば陳宮の隣にはあの大きな犬がいる。ここでも一緒なのだ。
「よく懐かれるのです」
「ううん、そんなに変わってるかな」
「変わってるも何もねねは最初見てびっくりしたのです」
その虎、白虎を見ながら言う陳宮だった。
「虎に乗っているなんて。何時食べられるかわからないのです」
「いい子よ、この子は」
自分が乗るその虎を見ながら言う孫尚香だった。
「頭もいいしね」
「けれど虎なのです」
「虎、虎っていうけれど」
それでもどうかというのである。
「別に全部の虎が人を襲う訳じゃないから」
「本当なのです?それは」
「犬だって全部の犬が怖い訳じゃないでしょ」
「それはその通りなのです」
「だからよ。シャオは虎とか他の動物のことがわかるの」
孫尚香の特殊能力の一つである。
「だからいいのよ」
「ううん、動物の心がわかるとなると」
「呂布と一緒だっていうのね」
「恋殿は凄いのです」
陳宮はここでも呂布だった。
「天下無双の豪傑でしかもとても優しい方なのです」
「動物、大事にしてるのよね」
「いつもそうしているのです」
「そんな呂布だからなのね」
陳宮を見てだ。呂布は言った。
「陳宮も一緒にいるのよね」
「恋殿に助けられました」
はじめて会った時のことはだ。陳宮にとっては何があろうと忘れられないことだった。
それでだ。陳宮は言うのだった。
「その時に決めたのです。ねねは恋殿の為には何でもするのです」
「だから。虎牢関の時もなのね」
「そうなのです。何があってもなのです」
呂布の為に動くというのだ。
「ねねは恋殿の為に動くのです」
「正直それって凄いことよ」
そんな陳宮の言葉を聞いてだ。孫尚香はだ。
優しい微笑みになりだ。こう言ったのだった。
「誰かの為に何でもできるって」
「そうなのです?」
「シャオはそこまでのことはできないから」
自分のことを振り返っての言葉だった。
「陳宮は凄いと思えるわ」
「ねねは本当にただ恋殿の為に」
「だからそう思えるのが凄いから」
「そうなのです?」
「そうよ。じゃあこれからもずっとね」
「はいです。ねねは恋殿と一緒なのです」
はっきりとした笑顔で言う陳宮だった。そうした話をしながらだ。
一行は泉に着いた。その泉を見てだ。
こちらの世界の何人かがだ。微妙な顔になり話をするのだった。
「まあここはね」
「色々とある場所だけれど」
「青い泉って
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