第百二十七話 華雄、よい水着を着るのことその十
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」
「優しいですか?私は」
「ああ、優しいさ」
まさにそうだとだ。テリーはその微笑みで劉備にさらに話す。
「優し過ぎる位だよ」
「私は別に」
「ここの世界の娘達は皆優しいな」
テリーも温かいになっている。
「あんまりにも優しいからかえって心配になる位だよ」
「優し過ぎるからですか」
「俺は父さんをギースに殺されて」
過去の話をはじめる。テリーの幼い頃のだ。
「ずっとアンディとな。タン先生に育てられてきて」
「苦労されたんですね」
「タン先生もな。優しいんだよ」
彼とアンディにとってはだ。かけがえのない存在なのだ。タンもまた。
「あの人がいてくれてどれだけよかったかな」
「確かに。タンさんも凄くいい人ですね」
「色々辛いこともあったさ」
これまでの人生でだ。テリーは狼として生きそうしたことも味わっていた。
それ故にだ。今劉備に話すのだった。
「それでも。アンディがいてタン先生がいて」
「他の方もいたからですか」
「俺はやっていけた」
「そうですね。あちらの世界の方も優しい方が多いですね」
「そうじゃない奴もいるけれどな」
あからさまな悪人もだ。いるにはいるのは確かだった。
「けれど。確かに優しい奴が多いよな」
「そしてテリーさんもですね」
他ならぬテリーにもだ。劉備は言うのだった。
「とても優しい方ですね」
「ははは、俺もか」
「皆さんから聞いています。そのことは」
「だったらいいんだけれどな」
「それと気になっていたことですが」
ここでだ。劉備はテリーに尋ねた。
「テリーさんはギースさんとの闘いの後でギースさんを助けようとされましたよね」
「ああ、あの時だな」
ギースタワーでの最後の決戦の時にだ。パワーゲイザーを受けて吹き飛びビルから落ちようとするギースを助けようとしたのだ。
無意識に手が伸びた。その時の話だった。
「あれはな。当然だったな」
「当然だったのですか」
「ああ、俺にとってはな」
「狼だからですか?」
劉備は首を少し右に傾げさせてから述べた。
「テリーさんは狼だからギースさんを」
「そうなるな。あいつは確かに父さんの仇だ」
このことは否定できなかった。何があろうともだ。
「それに悪事を繰り返してきた。碌でもない奴だけれどな」
「それでもなんですね」
「本当に自然に手が出たんだよ」
そうなったというのである。
「あの時はな」
「狼の優しさでしょうか」
劉備は気付いた。テリーのその優しさは何かというと。
「テリーさんの優しさは」
「そうかもな。それでギースもな」
「ギースさんもですか」
「あいつは優しさはともかくとしてな」
「狼なんですね」
「ああ、あいつも狼なんだよ」
そうだというのだ。ギースもま
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