暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百二十七話 華雄、よい水着を着るのことその十
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「優しいですか?私は」
「ああ、優しいさ」
 まさにそうだとだ。テリーはその微笑みで劉備にさらに話す。
「優し過ぎる位だよ」
「私は別に」
「ここの世界の娘達は皆優しいな」
 テリーも温かいになっている。
「あんまりにも優しいからかえって心配になる位だよ」
「優し過ぎるからですか」
「俺は父さんをギースに殺されて」
 過去の話をはじめる。テリーの幼い頃のだ。
「ずっとアンディとな。タン先生に育てられてきて」
「苦労されたんですね」
「タン先生もな。優しいんだよ」
 彼とアンディにとってはだ。かけがえのない存在なのだ。タンもまた。
「あの人がいてくれてどれだけよかったかな」
「確かに。タンさんも凄くいい人ですね」
「色々辛いこともあったさ」
 これまでの人生でだ。テリーは狼として生きそうしたことも味わっていた。
 それ故にだ。今劉備に話すのだった。
「それでも。アンディがいてタン先生がいて」
「他の方もいたからですか」
「俺はやっていけた」
「そうですね。あちらの世界の方も優しい方が多いですね」
「そうじゃない奴もいるけれどな」
 あからさまな悪人もだ。いるにはいるのは確かだった。
「けれど。確かに優しい奴が多いよな」
「そしてテリーさんもですね」
 他ならぬテリーにもだ。劉備は言うのだった。
「とても優しい方ですね」
「ははは、俺もか」
「皆さんから聞いています。そのことは」
「だったらいいんだけれどな」
「それと気になっていたことですが」
 ここでだ。劉備はテリーに尋ねた。
「テリーさんはギースさんとの闘いの後でギースさんを助けようとされましたよね」
「ああ、あの時だな」
 ギースタワーでの最後の決戦の時にだ。パワーゲイザーを受けて吹き飛びビルから落ちようとするギースを助けようとしたのだ。
 無意識に手が伸びた。その時の話だった。
「あれはな。当然だったな」
「当然だったのですか」
「ああ、俺にとってはな」
「狼だからですか?」
 劉備は首を少し右に傾げさせてから述べた。
「テリーさんは狼だからギースさんを」
「そうなるな。あいつは確かに父さんの仇だ」
 このことは否定できなかった。何があろうともだ。
「それに悪事を繰り返してきた。碌でもない奴だけれどな」
「それでもなんですね」
「本当に自然に手が出たんだよ」
 そうなったというのである。
「あの時はな」
「狼の優しさでしょうか」
 劉備は気付いた。テリーのその優しさは何かというと。
「テリーさんの優しさは」
「そうかもな。それでギースもな」
「ギースさんもですか」
「あいつは優しさはともかくとしてな」
「狼なんですね」
「ああ、あいつも狼なんだよ」
 そうだというのだ。ギースもま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ