第七十一話 神仏を感じてその三
[8]前話 [2]次話
「その魔術で」
「そうしますか」
「箒に乗って空を飛ばずとも」
そうせずともというのだ。
「簡単に逃げられます」
「本物だとそうなるんですね」
「そうです、姿を消したり小さな生きものに姿を変えて」
「隠れられるんですね」
「そうしてです」
そのうえでというのだ。
「難を逃れます、魔女はいますが」
「実際にですか」
「あの様なもので捕まる魔女はいません」
「そうなんですね」
「むしろ告発者の中にです」
その整った切れ長の目を鋭くさせて述べた。
「邪な心を持った魔女がです」
「いたんですか」
「はい、アメリカでそうした事件がありました」
「そういえばあの国でも魔女狩りありましたね」
「欧州程酷くはなかったですが」
比較的早くそれはなくなっている、それはこの国の建国が啓蒙思想に色濃く影響を受けてのことと関係があるだろうか。
「あるにはあり」
「何か子供が告発していた」
「その事件です、その中の一人がです」
告発者の中のというのだ。
「怪しいのです」
「魔女だった可能性があるんですか」
「私はそう見ています」
「そうなんですか」
「その少女がです」
三人いたという、そしてその中の一人がなのだ。
「どうもです」
「本物の魔女で」
「悪意を以てです」
そのうえでというのだ。
「津mなき人達を告発していた」
「そうなんですか」
「はい、魔女狩りはです」
これはというのだ。
「犠牲になった人たちの中に魔女はおらず」
「むしろ言う人達の方にですね」
「いたとです」
その様にというのだ。
「考えられるのです」
「魔女がですか」
「魔女といいましても色々で」
それでというのだ。
「いい魔女もいればです」
「悪い魔女もいますか」
「そしてこの場合はです」
この件ではというのだ。
「最悪です」
「人を陥れて喜んでいた」
「最悪の魔女だったのでしょう」
「普通の人を魔女狩りにかけてですね」
「処刑させていたのですから」
「最悪ですね」
「その少女は調べてみますと」
この事件についてといのだ、セイラムの魔女裁判といいアメリカの歴史の闇の部分の一つとされている。
「どうもです」
「怪しいんですね」
「私が思うに魔女だったとです」
彼女がというのだ。
「まさに」
「それでそんなことをしていたんですね」
「はい、魔女として処刑された人はです」
「一人もですね」
「本物はいませんでした」
「どの人も冤罪ですね」
「先程も申し上げましたが本物の魔女はです」
決してというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ