第七十一話 神仏を感じてその一
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第七十一話 神仏を感じて
咲はバイト先で速水に自分の母親と話したことを覚えている限り話した、特に宗教のことを。するとだった。
速水は咲に確かな顔でこう述べた。
「はい、神も仏も存在しています」
「この世に」
「そしてそれぞれの宗教の世界もです」
これもというのだ。
「存在しています」
「そうなんですね」
「仏教徒は死ねば生まれ変わります」
そうなるというのだ。
「六つの世界の何れかに」
「その行いによってですね」
「そしてイスラム教ではひたすら信仰すればです」
そうすればというのだ。
「天国に行けます」
「イスラム教ではそうなんですね」
「そして罪を犯せば」
その時はというのだ。
「地獄に落ちます」
「そうなるんですね」
「そうです、そしてキリスト教でもです」
この宗教でもというのだ。
「天国と地獄がありますね」
「その両方がですね」
「善行を行うとです」
そうすると、というのだ。
「天国に行き」
「悪いことをするとですね」
「地獄に行きます、また間に煉獄もあります」
この世界もあるというのだ。
「ダンテの神曲の如くです」
「三つの世界の何処かに行くんですね」
「そうなります、まさにそれぞれの宗教で」
「世界があるんですね」
「死後も、そして東京ですが」
今自分達が暮らしているこの街はというのだ。
「様々な結界で護られています」
「私もそれは」
「ご存知ですね」
「お寺や神社が沢山あって」
「四神相応の地でもあり」
「環状線とか高層ビルや東京タワーも」
そうしたものもというのだ。
「全部ですね」
「街を守護する結界です」
「そう言われていますね」
「結界は何の力は」
速水は咲に話した。
「やはりです」
「神様仏様の力ですね」
「そうです、奈良や京都もです」
こうした街もというのだ。
「やはりです」
「沢山のお寺や神社がありますね」
「大阪もですが。全てです」
「結界でもあって」
「神仏の力で、です」
まさにそれによってというのだ。
「街をひいては日本をです」
「護っているんですね」
「東京は江戸の頃より数えきれないまでの災厄に襲われてきました」
速水は歴史の話もした。
「何かと」
「地震に火事に台風に噴火に」
「空襲もありました」
戦禍もあったというのだ。
「非常に災厄の多い街でしたが」
「今もありますね」
「そして繁栄しています」
存在しているだけでなくというのだ。
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