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オズのボームさん
第五幕その四

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「他のことでもだよ」
「わかっていないことの方が多いんだ」
「そうなんだ」
「これがね」
「人が知っている知識はこの世の僅か」 
 ジュリアはこの言葉を出しました。
「そう言いますけれど」
「そう、大海の中の小匙一杯位とね」
 魔法使いがジュリアに応えました。
「言われているね」
「そうですね」
「だからオズの国の歴史についてもそうでね」
「他のことでもですね」
「わかっていることはね」
「少しですね」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「だから本当にずっと調べ続けているんだ」
 ボームさんがまたお話します。
「オズの国の歴史はね」
「まさかオズの国の歴史がそんなに長かったなんて思いませんでした」 
 神宝も驚いています。
「古代エジプトと同じだけなんて」
「凄いですね」
 ジョージも唸ります。
「それはまた」
「しかもわかっていないことが多いなんて」
 カルロスも言います。
「これからどれだけ調査して発掘して研究しないといけないのか」
「古い文字までありますし」
 ナターシャはそちらのお話をしました。
「何かと大変ですね」
「これからも学んでいって」
 恵梨香も考えるお顔になっています。
「わかっていくことですね」
「そうなんだ、根気よくね」
「それが歴史なんですね」
「歴史を学ぶってことなんですね」
「オズの国の歴史もそうですね」
「わかっていないことが多いので」
「学んで知っていくんですね」
「そしてわかったこともね」
 このこともというのです。
「実はどうか」
「真実を知る為に」
「もう一度学んでいくんですね」
「検証していくんですね」
「新しい資料も発見して」
「そして調べて」
「そうしていくものだよ」
 神宝達五人ににこりと笑ってお話しました。
「歴史はね」
「そう、本当にわかっていることはほんの少しなの」
 オズマも言ってきました。
「オズの国の歴史もね」
「歴史も、なんですね」
「本当に色々なことがわかっていないですね」
「あらゆることが」
「オズの国でも」
「大海の中の小匙一杯ですね」
「私でも知らないことが凄く多いの」
 オズの国家元首であるオズマにしてもです。
「そういうものなのよ」
「人がこの世を全て知ることは出来ないね」
 魔法使いはしみじみとして言いました。
「どんなことでもね」
「そうよね」
「私もそのことを痛感する毎日だよ」
「全て知っているのは神様よ」 
 オズマは言い切りました。
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