第百二十七話 華雄、よい水着を着るのことその八
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「詠にでもね」
「詠がこの店にいるのですか?」
「あの娘もかいな」
「私も選んでもだったのよ」
そのだ。賈駆にだというのだ。
「だからあんた達もそうしてもらったら?」
「そうですね。自分達で見ても埒が明かないのなら」
「他人に聞くのも手やな」
「ましてや詠は我等の軍師」
「そやったら適役やな」
「じゃあ話は決まりね」
二人の話を聞いて董白は言った。そしてだ。
後ろを向いてだ。彼女を呼ぶのだった。
「詠、いいかしら」
「何?もう一着選ぶの?」
「違うわ。華雄達にも選んで欲しいのよ」
ありのままだ。賈駆に話すのである。
「だからね。ちょっと来て」
「わかったわ。今行くわ」
こうしてだった。その賈駆が来た。見れば彼女は今は。
黒のビキニだった。その水着姿で出て来てだ。そのうえで二人のところに来て言うのだった。
「ううんと。とりあえず霞はね」
まずは張遼からだった。
「いつもお腹出してるし」
「そっからやねんな」
「ビキニでもいいわね」
こう言うのだった。張遼の身体を上から下まで見ながら。
「それでどうかしら」
「ビキニかいな」
「そう、それも紫のビキニよ」
色はそれだった。
「それでどうかしら」
「ほなそれで頼むわ」
張遼もむべもなく応える。
「じゃあ紫のビキニやな」
「霞は紫が似合うのよ」
「いつも着てる袴とかも紫やさかいな」
「そう。だからね」
そうしたものも見てのことだというのだ。
「紫のビキニ。これでどうかしら」
「それでええで」
笑って言ってだ。張遼はよしとした。これで彼女については決まった。
そのうえでだ。賈駆はだ。今度は華雄を見て言うのだった。
「じゃああんたは。ええと」
「そういえば私の真名はどうなっているのだ?」
ここで華雄はふと言った。
「前から思っていたが私も知らないぞ」
「って本人が知らないって」
「そらないやろ」
董白と張遼がその事実に突っ込みを入れる。
「普通誰にでも真名があるけれど」
「あんたないんか?」
「ある筈だが。どうなっているのだ?」
腕を組みだ。言う華雄だった。
「私にもわからないのだ」
「そんなことがあるのね」
「けったいな話もあるもんや」
「そういえば劉備のところにも変な娘がいるわね」
賈駆はふとだ。ある娘について気付いた。
「ええと?白馬が好きな」
「誰だ、それは」
「そんなんおったんかいな」
その者については華雄も張遼も知らない。
「白馬というと目立つものだが」
「そやけど名前は知らんのかいな」
「包丁持ってたかしら」
賈駆は腕も組んで話す。
「何か本当に誰かわからないのよ」
「ううむ、そうした者もいるのか?」
「影が薄いっちゅうのはわかるけれ
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