第二章
[8]前話
夫の妹の明奈髪の毛を金髪にして長く伸ばし束ねて左で垂らし丸めの明るい顔で発育のいい一五九程の背の彼女は笑って言った。今は大学生である。
「そんなの迷信よ」
「お母さんの言うこと信じないの?」
「何で銀杏の木が怒るのよ」
妊婦が触ってというのだ。
「幾ら依頼でも安産の神社でないわよ」
「そう言うけれどね」
「じゃああたしが調べるから」
明奈は母に言った。
「そうしてくるわね」
「実際はどうか」
「そうよ、そうしてくるわね」
こう言ってだった。
実際に大学で調べてだった、後日母に言った。美来と夫それに義父も一緒だった。
「迷信みたいよ」
「そうなの」
「何か最初は触ると安産出来るってね」
「そう言われてたの」
「それが誰かが勘違いして」
それでというのだ。
「触ると三年で死ぬってね」
「言われる様になったの」
「大学で地元の伝承調べて」
そうしてというのだ。
「神主さんにお聞きしたら」
「そうしたことだったのね」
「そうよ、だから妊婦さんが触ってもね」
その銀杏の木をというのだ。
「何もないわよ」
「そうなのね」
「そう、だからお義姉ちゃんもね」
美来を見て笑顔で話した。
「触ってもいいよ」
「そうなのね」
「大事な子が生まれるよ」
「そうか、それじゃあな」
「今から触ってもいいよな」
夫も義父もここで言った。
「それじゃあな」
「今度二人で行ったら触ってみるか」
「そうしましょう」
美来も笑顔で応えた、そうしてだった。
二人で仲良く神社にお参りに行った時に触った、するとだった。
とても可愛い女の子が生まれた、そして美来は三年どころか末永く健康だった。すると義母も迷信だったと理解して言わなくなった。
三年銀杏 完
2022・10・21
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