番外編 タイプγと始祖の怪人 最終話
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。「本物」になりたいからと成果にこだわるあまり、現実を見ていなかった。それがどれほど愚かな選択であったかなど、知る由もなく。
彼らは最後まで、「本物」になれぬまま終わってしまったのである。無防備な背中に集中砲火を浴びせられ、跡形もなく爆ぜた最後のタイプγのように――。
◆
G-verYの猛攻撃によって、タイプγもろとも研究施設は崩壊。清音がそこから脱出した頃には、すでに夜も明けて快晴の空が広がっていた。
清々しい大自然の空の下で、一つの事件を解決した余韻に浸りたい気持ちはある。だが、今は立ち止まって良い時ではない。
(……「始祖怪人」。まさか、そんな連中が存在していたなんて……)
旧シェードのNo.0こと羽柴柳司郎と同じく、最初期に開発されたという改造人間の生き残り。その老兵達の暗躍を知った今、足を止めることなど出来るはずもない。
仮面ライダーAPですら一度は敗北を喫したというNo.0。彼にも匹敵し得る強敵に、果たして自分達は勝てるのか。
ノバシェードの構成員達のような「失敗作」とは違う、「本物」の改造人間に勝てるのか。
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「それでも、私達がやらねばならないのです。今は私達が、『仮面ライダー』なのですから」
その不安を振り切るように――清音は崩壊した施設跡を一瞥した後。愛車に颯爽と跨って、走り出して行く。
嵐のように戦って、風のように去る。人類の自由のために戦う、「仮面ライダー」の1人として。
◆
――俺だ。やはりお前も目覚めていたか。
――まさか、仮面ライダーGに倒されたはずの俺達始祖怪人が皆、仮死状態だったとはな。
――いや、皆……ではないか。清山も柳司郎も、すでにこの世を去っているのだから。
――シェードが滅び、俺達の知る仮面ライダー達も消え去り、全てが終わってしまった今になって……何の意味があると言うのだろうな。
――あぁ、分かっている。ノバシェードの連中では、やはりいくら鍛えたところで焼け石に水だ。この時代の仮面ライダー達は装甲服を着ているだけの生身の人間に過ぎんというのに、あの体たらくだからな。
――お前に言われるまでもない。俺達始祖怪人の存在意義は、改造人間の威力を世に知らしめることだけだ。清山も柳司郎も、そのために己の命を使い尽くした。俺達もそれに続き、然るべき最期を遂げるまでだ。
――この時代の仮面ライダー達に、俺達を止められるとは思えんが……いずれにせよ、それが出来なければ人類は改造人間に平伏するのみとなろう。
――最期に試してやろうではないか。令和の世を守る仮面ライダーが、俺達に引導を渡す器となり得るかをな。
――場所? あぁ、もう決め
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