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仮面ライダーAP
番外編 タイプγと始祖の怪人 最終話
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間が振るった刃物が通用したのである。

 それはつまりタイプγが知性面のみならず、生体装甲の防御力までも犠牲にしている「欠陥品」であることを意味していた。その事実に到達した清音は、妖しく蠢く触手を前に挑発的な笑みを溢す。

「……どうやら、『本物』になるには予算が足りなかったようですね?」

 その皮肉を口にしても、タイプγの知性では理解出来ないだろう。だが、それで構わない。

 すでに「準備」は、整っているのだから。

「来なさい――G-verY」

 彼女がそう呟いた瞬間。
 研究室の外壁を突き破り、この血の海に飛び込んで来た彼女のマシンGチェイサーが、その質量にモノを言わせた追突でタイプγを撥ね飛ばしてしまう。

 清音の眼前を横切るように突っ込んで来たその車体は、滑るように主人の傍らへと停車する。車体の後部に搭載されている大型コンテナが開かれ、彼女の「鎧」が出て来たのはその直後だった。

 彼女のGチェイサーには主人の危機に反応し、自動運転で駆け付けて来る機能が設けられているのだ。
 その機能に生命と貞操を救われた清音は、タイプγが追突の衝撃でひっくり返っている間に、コンテナに積まれていた装甲服を手慣れた動きで装着して行く。

 そして、タイプγがようやく起き上がった頃には――すでに、「水見鳥清音」の姿はなく。そこには、「仮面ライダーG-verY」の荘厳な鎧姿が佇んでいた。

 薄暗い研究室内に黄色の双眸が輝き、その光が赤と白を基調とするマッシブな装甲を照らしている。右肩に記載されている「G-6」のナンバーも、その煌めきに照らし出されていた。

 彼女の両腕にある2丁のGX-05「ケルベロスランチャー」は、すでにその砲口をタイプγへと向けている。
 「装着前」である優雅な爆乳美女の姿からは想像も付かない、その荘厳な「装着後」の外観と迫力に、タイプγは弱々しい奇声を漏らしながら逃げ出そうとしていた。

「……知性が無いというのは、実に致命的ですね。相手の力量すら、満足に測れないのですから」

 仮面の下でそう呟く清音の声色には、憐れみの色すら含まれている。
 その直後に――彼女の両手にあるケルベロスランチャーの弾頭と、Gチェイサーの両脇に搭載された8門のミサイルが、同時に撃ち放たれた。

 ――ノバシェードに起きた「異変」の元凶を知った今、もうこの施設に用はない。故にここからは「潜入」ではなく、「戦闘」が主目的となる。

 そうなればもはや、装甲が脆いタイプγに生き延びる道はないのだ。織田大道のタイプαや、明智天峯達のタイプβに匹敵する防御力があれば、G-verYの一斉射撃にも耐えられたのだろう。

 だが、斉藤空幻をはじめとするこの施設の研究者達は、その生体装甲の重要性を軽視した
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