番外編 タイプγと始祖の怪人 第3話
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バスタオルで顔を隠されたまま蹴りを食らってしまった戦闘員に、その「絶景」を拝むことは出来ない。
「……続きは、夢の中でね」
その勢いのまま宙を舞うバスタオルをキャッチした彼女は、ハイキックを終えると同時に、己の肉体にタオルを巻き直していた。
雄の情欲を苛烈に刺激する、白く蠱惑的な沙耶の裸身を脳裏に刻む暇もなく。戦闘員の男は、俊速のハイキックで意識を刈り取られてしまったのである。
そんな彼の哀れな姿に、沙耶は挑発的な微笑を浮かべるのだった。
――だが、その直後には。ノバシェードに起きている「異変」を目にしたことで、仮面ライダーとしての鋭い顔付きに変わっている。
2021年に入ってから、ノバシェードの構成員達の練度は異常な速さで向上していた。その「異変」は、仮面ライダーの変身者に対する追跡能力にも現れていたのだ。
「……一体何が、彼らをここまで変えてしまったのかしら」
常人の手には負えない脅威度であるとはいえ、元々は旧シェードの「失敗作」の集まりであるノバシェードの構成員達は、正規の戦闘訓練を知らない民兵も同然。仮面ライダーの力を託されたエリート警察官である沙耶達とは、そもそもの地力が違う。
故にこれまでは彼らの追跡を撹乱することも、逆に彼らのアジトを特定して壊滅させることも容易かった。が、今年に入ってからの彼らの「冴え」は、まるで別次元なのだ。
完全に撒いたという油断を誘い、これまでの失敗を逆手に取った彼らは、沙耶の滞在先を特定し、ここまで辿り着いて見せた。しかも、シャワーの直後という無防備なタイミングまで狙えている。
「やはり……今のノバシェードには、何かが起きている。その実態を確かめなければ、この戦いに終わりは来ないようね」
明らかに、これまでとは様子が違うのだ。その「異変」はすでに、他国の調査を担当している他の同僚達も目の当たりにしている。
インドで活動している仮面ライダーEXこと、久我峰美里も。
イギリスに滞在している仮面ライダーアルビオンこと、東方百合香も。
コロンビアで残党を追跡していた仮面ライダーティガーこと、道導迅虎も。
アルゼンチンで活躍している仮面ライダーパンツァーこと、翆玲紗月も。
そして、ブラジルに身を置いている仮面ライダーG-verYこと、水見鳥清音も。
追跡能力が向上したノバシェードの構成員達による、「奇襲」に見舞われていたのである。一糸纏わぬ無防備な姿でシャワーを浴びている最中という、女としての最も大きな「隙」を狙われて。
幸いにもすでに全員がその撃退に成功しているのだが、それらの件は彼女達の認識を大
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