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仮面ライダーAP
番外編 タイプγと始祖の怪人 第2話
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らの遺伝子細胞を人工的に変異させることにより誕生するタイプγ(ガンマ)。このタイプγならば既存のデータと設備を応用し、我々だけで量産することが出来る。

 ――もはや我々は失敗作でも紛い物でもない、本物のシェードそのものとなったのだ。我々を迫害した人類に、その味方をする仮面ライダー共に、それを思い知らせる時が来たのだ。

 ――タイプγは攻撃性に特化しており、知性面の強化に掛かるコストをオミットしているため、非戦闘時は専用のカプセルで常に行動を制限しておかねばならない。だがこれで、攻撃力だけならば天峯様達にも匹敵し得る怪人を5体も量産出来たのだ。

 ――これからこのデータを、より設備が充実している他のアジトに移し、大量生産する予定だ。愚かな人間共の絶望に歪む顔が、今から目に浮かぶ。これでもう、「始祖怪人(オリジン)」共の手を借りることもない。

 ――そもそも私は、最初から奴らのことが気に食わなかったのだ。旧シェードの生き残り風情が、天峯様達に代わって我々に指図するなど、烏滸がましいにも程がある。確かに戦闘のプロ揃いなだけあって、構成員達に対する教導は的確そのものであったが、それとこれとは話が別だ。

 ――旧シェードの「No.0」こと、羽柴柳司郎(はしばりゅうじろう)。彼と同時期に徳川清山(とくがわせいざん)の手で開発された、「始祖」の改造人間達。その「年季」に裏打ちされた膨大な戦闘経験に基づく教導が無ければ、無知な民兵でしかなかった我々ノバシェードは、仮面ライダー共に蹂躙される一方となっていただろう。その点は私も認めているし、感謝もしている。

 ――が、それだけだ。我々がこのような道に進まざるを得なくなった元凶の産物に、ノバシェードの指揮権まで奪われてなるものか。我々はこのタイプγで奴らを超え、天峯様達の遺志を守り抜くのだ。

 ――ノバシェードアマゾン支部所属・怪人研究所所長斉藤空幻。

 ◆

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(タイプγ、それに「始祖怪人」ですか)

 この端末に残されていたのは、「タイプγ」と称されるフィロキセラ怪人の開発に携わっていた、斉藤空幻所長の最期の記録だったのだろう。
 その記録を読み終えた清音は、記述の中にあった「始祖怪人」という単語に着目していた。

 No.0こと羽柴柳司郎と言えば、旧シェードの創設者である諸悪の根源・徳川清山が1970年代に開発した最初期の改造人間。約5年前、仮面ライダーAPによって打倒された最古の怪人。
 その羽柴と同時期に生み出されたという怪人が、この現代にもまだ生存しているのか。

(50年近くも戦い続けて来た歴戦の怪人達が、今のノバシェードのバックに付いている……なるほど、ただの戦闘員でも手強くなるはずですね)

 清音
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