第八十二部第三章 国債の発行その一
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国債の発行
オムダーマンが戦費の調達に莫大な国債を発行しそのうえで戦費を調達している頃エウロパもだった。
内政、開発に開拓そして軍需を含む各産業に投資を行いその予算の確保に莫大な国債を発行していた、その国債を見てだった。
オーストリア財界の重鎮であるローエンハイム伯爵はエウロパ保守派の長老であるシェリーニと共に歌劇の観戦の後レストランに入りそこで食事を摂りつつ言った。
「国債についてですが」
「エウロパのですね」
「はい、近頃です」
「幾ら何でもというのですね」
「莫大になり過ぎて」
そうなっていてというのだ。
「どうにもです」
「今後がですね」
「不安を抱いていますが」
「それを言いますと、ですが」
「今のエウロパの国債はですね」
「はい、確かに莫大な」
「恐ろしい額であっても」
「今エウロパは経済が復興し」
エウロパ戦役の痛手から立ち直ってというのだ。
「そしてです」
「発展しているからですね」
「人口もここにきて」
まさにというのだ。
「増えてきていて」
「人口抑制政策を撤廃してですね」
「進んで開発や開拓を行い」
そしてというのだ。
「多産を奨励し」
「国力も回復してきたので」
「ですから」
「人口面からも国力が発展してきているので」
それ故にというのだ。
「莫大な国債も」
「今は、ですね」
「何でもないかと。連合への賠償金も」
正式名称は違うがよくそう呼ばれているそちらもというのだ。
「大した苦にはならなくなったので」
「それで、ですね」
「ですから」
ここはというのだ。
「もうです」
「脅威と思わずに」
「はい、そのうえで」
まさにというのだ。
「発展していくべきでしょう」
「借金も財産のうちといいますし」
「今はですね」
「国債を発行してでも」
例えそれがどれだけ膨大なものでもというのだ。
「それがいいかと」
「左様ですか」
「私はそう考えます」
こうした話をした、そしてだった。
ローエンハイムは今食べている玉葱やズッキーニ、トマトに胡瓜やパプリカを細かく刻んでオリーブオイルや酢そしてレモン汁で味付けしたサラダを食べつつシュリーニに言った。
「私としてはです」
「国債は、ですね」
「あまりない方がいいという考えなので」
「だからですか」
「今の様に考えましたが」
こうシュリーニに話すのだった。
「しかし」
「それでもですか」
「今卿とお話をして」
それでというのだ。
「その不安が去りました」
「それは何よりです」
シュリーニもサラダを食べつつ応えた、ボールの中にあるサラダはかなりの量でこれだけでもボリュームがある。
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