第八十二部第二章 国債その三十一
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「いざという時に動けない」
「戦闘の時に」
「だからですね」
「ここはですね」
「食堂での食事、ベッドでの睡眠」
「入浴ですね」
「それをしてもらう、私もだ」
アッディーン自身もというのだ。
「少し眠らせてもらう」
「そういえば閣下は」
参謀の一人がアッディーンの今の言葉に応えて言ってきた。
「これまでは」
「寝てもな」
「酸素タンクだったな」
「そうでしたね」
「どうもだ」
ここに来て、そうした感じでの言葉だった。
「弱音になるが」
「お疲れですか」
「やはり酸素タンクでの睡眠はな」
それが一時間のものでも身体には八時間分の休養を与えてくれる、そうした優れたものを使用してもというのだ。
「限度があるな」
「睡眠は、ですね」
「やはり本来のだ」
「ベッドでのそれがいいですね」
「だからだ」
それでというのだ。
「これは絶対だが」
「何でしょうか」
「その絶対のこととは」
「一体」
「何かあればだ」
その時はというのだ。
「遠慮はいらない、起こしてくれ」
「これまで通りですか」
「閣下は、ですか」
「何かあれば」
「起こしてですね」
「伝えて欲しいというのですね」
「そして対処する」
こう言うのだった。
「必ずな」
「急なことはですね」
先程とは別の参謀が言ってきた。
「即座に対処せねばならない」
「その通りだ」
「だからですね」
「そうした時はな」
例え睡眠を摂っていてもというのだ。
「起こしてもらう」
「その様にですね」
「是非な、むしろ起こさないならな」
その時こそというのだ。
「問題だ、だが」
「今はですね」
「どうも限界がきた」
それが急に出て来た、アッディーンの顔にこれまでにない様な強い疲労の色が浮き出てきていた。それで言うのだ。
「暫く頼む」
「そうさせてもらいます」
「ではここはですね」
「各軍で、ですね」
「指揮を委ねますね」
「進路はそのままだ」
アッディーンは行動の話をした。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「敵の第二次防衛ラインまで進む」
「そうしていきますね」
「閣下がお休みの間は」
「そうしてもらう」
こう言ってだ、そしてだった。
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