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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜インターバル・前篇〜
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ちらの被害妄想というものですわ。前半の会議でも宣言したように私は帝国貴族の筆頭として対立の果てに去年の内戦のような愚かな所業を起こす事は心から望んでいなく、むしろ、戦後芽生える可能性がある”対立の芽”を摘み取る為にもアンゼリカ卿に先の提案をさせて頂いたのですわ。」

「え……”戦後芽生える可能性がある対立の芽”とは一体どういう事なんですか……!?」

クロウの推測に対して苦笑しながら答えたミルディーヌ公女の説明のある部分が気になったセドリックは呆けた後困惑の表情で訊ねた。



「皇太子殿下もご存じかと思いますが今回の戦争に私を始めとしたラマールの貴族や領邦軍もそうですが、ハイアームズ侯爵閣下達サザ―ラントの貴族や領邦軍は”エレボニアの存続の為の貢献”をしました。対してノルティアの貴族や領邦軍は”今回の戦争に何の貢献もしていない事”によって戦後”エレボニアの存続”の為にそれぞれ負担をしたラマールやサザ―ラント―――――つまり帝国西部の貴族や領邦軍もそうですが、民達もノルティアの貴族や領邦軍、最悪は民達に対しての不満や反感が発生する可能性があるとは思いませんか?」

「そ、それは………」

「……………………」

「……まさかミルディーヌ公女殿下は帝国西部の貴族や領邦軍、それに民達による”ノルティア州に対する差別”が発生する可能性の想定をされ、その”差別”を発生させない為にノルティア領邦軍に今回の戦争の最後の戦いにして激戦になると思われる”帝都奪還戦”の”先鋒”を務めてもらう事で、”今回の戦争の各州による負担のバランスを取る事”を考えられているのでしょうか?」

ミルディーヌ公女の問いかけに反論できないトワが辛そうな表情で答えを濁している中アンゼリカは重々しい様子を纏って黙り込み、ミルディーヌ公女の考えを悟ったレーグニッツ知事は複雑そうな表情でミルディーヌ公女に確認した。

「さすがは聡明な知事閣下。まさにその通りですわ。」

「”今回の戦争の各州による負担のバランスを取る事”か。ハハ、中々痛い所を突いてきたね………」

「なるほどね………最後の戦いの先鋒――――――要するにまさに言葉通り”死に物狂い”で激しい抵抗をしてくる帝都の防衛部隊とぶつかり合って真っ先に被害を受ける役割をノルティア領邦軍にさせる事で、今までノルティア州がヴァイスラントに貢献しなかった件を相殺させる理由にしようと考えているのね。」

ミルディーヌ公女はレーグニッツ知事の推測に賞賛した後肯定し、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、セリーヌは呆れた表情で呟いた。

「はい。そこに付け加えさせて頂きますが、ノルティア領邦軍には”先鋒”を務めると共に”第四機甲師団から離反した部隊と共に帝都奪還の戦功”を挙げて頂く事が”最上の結果”と考えており
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