西ゼムリア通商会議〜インターバル・前篇〜
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らね。だが、その徴収された財産の中には”形見”等と言った”その個人にとっては決して何物にも代えがたい価値”がある物もあるから、そういった類の物資が徴収された国民達には最悪の場合、返還できなかったせめてもの謝罪金として大金を用意する必要があるんだよ。」
「さ、”最悪の場合”ってもしかして……」
「”徴収された物資の返還が不可能になってしまった状態”―――――戦争に必要な物資として、もしくはその物資の素材として”既に消費されてしまった事”かと。」
レーグニッツ知事の説明を聞いて察しがついたエリオットは不安そうな表情で呟き、シャロンは静かな表情で答えた。
「それとその徴収の件なのだが……君達には申し訳ないが、国家総動員法による徴収に協力した商会や商人達にも責任を取ってもらおうと考えている。」
「”国家総動員法による徴収に協力した商会や商人達”で、オレ達にも関わりがあるという事はまさか……」
「ヒューゴの実家――――――”クライスト商会”か。」
「ヒューゴ………政府の犬に成り下がった結果、大戦にも参加して斑鳩の猟兵達に”半殺し”にされたあの眼鏡野郎か。」
複雑そうな表情で呟いたレーグニッツ知事の話を聞いて察しがついたガイウスは複雑そうな表情を浮かべ、クロウとアッシュはヒューゴを思い浮かべながら静かな表情で呟いた。
「”責任を取ってもらう”って言ったけど……父さん、まさか徴収に協力した商会や商人達にも賠償金を出させたり、もしくはその商会や商人達を潰すつもりなのか……?」
「そこまではしないさ。彼らには国民達から徴収したミラや物資の調査に協力してもらうだけだよ。勿論”無償協力”にはなるが………」
「それは当然ではないかと。」
「徴収に協力したんだから、その徴収したミラや物資自体も記録に残したりしているはずだから、徴収に協力した商会や商人達なら誰から何を徴収したかも把握しているはずだもんね〜。」
「だけど、ヒューゴ君達――――――徴収に協力した商会や商人達の”信用”は少なからず失う事になるだろうから、その”信用の回復”にヒューゴ君達は苦労する事になるだろうね……」
「ええ……”商売は信用が第一”ですから、その”信用”を失った商人や商会からは”客”が離れるでしょうし、取引先も取引を止めたりするかもしれませんでしょうし……」
不安そうな表情で訊ねたマキアスの疑問に苦笑しながら答えたレーグニッツ知事の答えを聞いたラウラは納得した様子で呟き、ミリアムは静かな表情で呟き、トワとアリサはそれぞれ複雑そうな表情でヒューゴの未来を推測した。
「……知事閣下。大問題は二つあると言っていたが、もう一つはどういった問題なんだい?」
「もう一つは今回の戦争で戦死した帝国正規軍
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