第三十八話 嫌な奴もいないその十四
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「そうだったのね」
「そうだった、それで龍馬さんをいじめていたが」
上士の者達がだ、確かに坂本龍馬は幼い頃は夜尿症が深刻で泣き虫であっていじめられもしてきたがだ。
「そもそも龍馬さんは上士とは縁がなかった」
「そうだったの」
「後藤象二郎さんとは長崎ではじめて会った」
幕末もかなり動いていた時期にだ。
「板垣退助さんとは会わなかった」
「一度も?」
「中岡慎太郎さんという共通の知り合いはいたがな」
そして中岡と共に殺されている。
「しかしな」
「それでもだったの」
「どうもお互いにな」
「お会いしたことはないの」
「お互い知っていて評価はしていたらしいが」
板垣は龍馬の脱藩後の免罪の為に動き龍馬は板垣を優れた志士として同志達に紹介したりしている。
「それでもな」
「会ったことないのね」
「そうだった」
「それ意外ね」
「だがそこをな」
「龍馬さんが主人公だと」
「こうした人達を極端に悪く描く」
それこそ唾棄すべき悪辣漢共としてだ。
「平気で抵抗出来ない人を後ろから斬ったりするな」
「それって武士として最低ね」
「そんな連中西郷さんが同志と思うか」
「絶対にないわね」
一華も言い切った。
「そんな人達だと」
「そうだな、利用するだけ利用してだ」
同志と思わずにというのだ。
「それが終わるとだ」
「ポイ?」
「人斬り半次郎さんが動いてな」
「因果応報の結末ね」
「そうなっていた、実際はこの人達もこの人達なりで立派だった」
後藤や板垣だけでなく容堂もだ。
「芹沢鴨さんもそうだったが事実とはな」
「かなり違うってことね」
「世の中ではあることだな」
「言われていることと事実は違う」
「そういうことがあるな」
越智はアイスクリームを食べつつ話した、合コンはそろそろ終わりそうな中で甘いものを楽しみつつ真剣に話した。
そしてだ、ここで成海がお開きと言ってだった。一行は店を出たのだった。
第三十八話 完
2022・5・15
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