第二章
[8]前話
「打つ相手の研究もあるし」
「ギャンブルじゃないのね」
「お金賭けないと」
仕事として行うと、というのだ。
「もう完全にだよ」
「勝負で」
「クールで勘定を表に出さないで」
「冷静に相手を見てやってくのね」
「そうしないと駄目だから」
それ故にというのだ。
「その時はもうね」
「鉄仮面でよね」
「打っていくよ」
「そうするわね、何か色々変わるわね」
雛菊は栗橋にしみじみとした口調で述べた。
「それがあんまり激しいからジェットコースターみたいよ」
「そんなに変わるの激しいかな」
「ええ、見ていて同じ人に思えない位にね」
「演じる役によってキャラ変えていかないといけないしさ」
栗橋は雛菊に真面目な顔で答えた。
「麻雀は本当に冷静に打たないとね」
「駄目だから」
「そうだから」
それでというのだ。
「その都度色々変わるよ」
「そうなのね」
「声優でもそうだし」
「それで雀士でもあるから」
「そこはそうなるよ」
こう雛菊に言ってだった。
栗橋は役の練習をしていった、それが終わってから飲むがその時はにこにことしているので雛菊はまた言った。
「やっぱりその都度凄い変わるわね」
「また言うんだ」
「見ていて飽きないわ」
「面白いかな」
「かなりね、じゃあ私もね」
ビール缶を開けた、そうして飲みはじめた。色々と激しく変わる彼だからいいと飲んでからも本人に告げた。
だがその中で飲むと急に黙る雛菊に栗橋は彼女の渾名を呼んで笑って言った。
「雛ちゃんも変わるよ」
「そう?」
「飲むとね」
その静かになった彼女ににこにことしながら話した、そのうえで二人で飲むのだった。雛菊もまた自覚していないが変わっていた。
彼氏は安定していても 完
2022・10・19
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ