R6話 Darkness【ヤミ】の始まり
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けじゃないが、君の知りたいことは何でも答えられる自信がある。」
「何でも…?」
「ああそうだ???例えば、死んだと言い聞かされてきた『弟』の話…とか。」
「!!!!!」
「弟」???この言葉が出た瞬間、菜々の顔色が一気に変わる。目は見開いて、鳥肌になっていた。
それも当然、彼女は言い聞かされてきたのだ???父親から、彼女の一歳下の弟は死産したと。しかし菜々は疑問を持っていた。母親が幼少期に言い続けた言葉が忘れられなかったからだ???
菜々はイフトに怪訝な表情で尋ねる。
「あなた一体何者なんですか!?父からは弟は死産したと聞いていました???でも母は言っていました。神様が育ててくれているからどこか知らない所で生きてるって……本当に生きてるんですか!?」
「あぁ、生きてるさ。まるで君が男になったみたいな美男にな。君が望むなら…会ってもいいんだ。無論、条件はあるが。」
「条件……?」
イフトは待ってましたと言わんばかりにそれに回答する。
「私は知っての通りスクールアイドルの振興に努めていてね……今度代々木で私主催のフェスをすることになっている。君たち同好会にはそこに出て欲しい。」
「っ!!」
「早い話、君のスクールアイドル活動の続行……これが本音なのは一目瞭然だな。」
イフトの言うことはフェスに出てほしいというのは建前に過ぎず、せつ菜にスクールアイドルを続けてほしい???回りくどく、卑怯な頼み方をしたと自ら自白している。
当然、菜々もその条件には戸惑う。
「しかし……!」
「どうした????その様子だと同好会を廃部とし、スクールアイドルを引退する理由も別にありそうだ。」
「そ、そんなこと……」
「怪人の件とそれによる誹謗中傷……そうだろう?」
「!!!」
イフトはすでに見抜いていた???否、それを前提として話していたのだ。
菜々はとうとう観念したかのように、イフトに背を向けて話し始める。
「それだけではありません。私はその件で焦りや恐怖に囚われるようになりました???その結果が、私が立ち上げた同好会を自ら壊してしまった。そんなの私のやりたかったことではありません。」
「………」
「『社会のレールに沿って生きていけ。趣味も特技もほどほどに。』心の中で嫌悪していた父の言葉がようやくわかった気がします……社会のレールに沿わなければ、必ず罰が降る。そうわかったんです。」
「フッ…w」
「何がおかしいんですか?」
菜々が至った結論を鼻で笑うイフトに菜々は怒気混じりの疑問をぶつける。すると彼はその黒い瞳で菜々を見下して話す。
「興味ないなぁ。社会のレールなんて。」
「え?」
「かつて海外までその名声が轟いたソロスクールア
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