第七十一話 詰所の中その四十三
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「それならね」
「後は人柄の問題ですね」
「教会長さんだからおみちに熱くて」
熱心で、です。
「真面目な人よ」
「先輩だけを見ている様な」
じっと私を見て言ってきました、もう道は渡って別館の前にいます。
「そうした人ですか」
「浮気は駄目だから」
私もしませんし。
「だからね」
「そうですか、先輩がいてくれたら」
やっぱり私の方を見ています。
「充分ですしね」
「私が?」
「はい、僕も勉強頑張りますね」
何故かこんなことを言う新一君でした。
「熱心に」
「何でそう言うかわからないけれどいさんでいくのはいいことよ」
本当に全くわからないですけれど。
「いさんでいってね、大学も行くのよね」
「天大の宗教学科に」
「そこでおみちを勉強して」
「そうして講習も行かせてもらって」
「教会長さんの資格も取るの」
「そうさせてもらいます」
「それから就職するのね」
「そうなりますね」
「講習で教会長さんの資格取ったら」
ここで私は思いました。
「教会本部でおつとめしたりね」
「それで教会長さんですね」
「そちらの方に行きやすいわね」
「はい、僕でよかったら」
私に目をきらきらさせて言ってきました。
「ならせて頂きたいです」
「教会長さんね」
「先輩もそう思われますね」
「ええ、新一君はおみちに熱いし後は」
「浮気しなかったらですね」
「もうね」
それで、です。
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